第84章 ルフィ
「水琴!久しぶりだなぁ!」
グレイターミナルにほど近い大木の根元。
いつもの場所でサボは二か月前と変わらない笑顔を水琴に向けた。
「サボ久しぶり。あんまり来れなくてごめんね」
「いいさ。新入りが来て大変なんだろ?」
「知ってるの?」
「エースから聞いた。それで最近水琴と稽古がつけられねェって膨れてて…」
「サボ!余計なこと言うんじゃねェよ!」
言葉の途中でエースが怒鳴る。
「それで機嫌悪かったの?」
「__だって、お前最近あいつにかかりきりじゃねェか」
ばつが悪そうに呟くエースをぎゅーっと抱きしめる。
「はっ?!」
「エース可愛い!!」
「ばか、やめろ!!」
「ごめんね、放っておいて。大丈夫だよ、エースのことも大好きだから!!」
「だから、違ェよ!おれはただ稽古が……!」
「なぁ水琴!俺は?」
「サボも大好き!!」
二人の可愛い弟分を抱きしめる。
「今日は久しぶりに稽古しようか!」
「いいな!尻尾取りか?」
「今日こそ取ってやるよ!」
水琴の言葉に張り切る二人。
久しぶりのその空気に、水琴は自然と笑みがこぼれた。