第61章 決戦の舞台
一瞬期待に目を瞠るがビビは違和感を覚える。
「どうした?さぁ、早くこっちに…!」
「……ウソップさん。証明して」
水琴とエースも気付いたのか、ビビを庇うように前に出る。
その様子にウソップはおいおい、と肩を竦めた。
「なんだよ、おれを疑うのか?__ほれ」
そうして示されたのは左腕の包帯。
中の印ではないことにビビは「カルー!」と声を上げる。
その呼び声に応え、カルーはすぐさま主を乗せ走り出した。
「……なァんでバレちゃったのかしらねェい」
ウソップの声が変質し、にやりと彼らしからぬ笑みが浮かぶ。
正体を現し追いかけようとするMr.2の前に砂を踏み立つ影があった。
「そりゃあ簡単だ。おれたちは確かに反乱軍のリーダーを探していたが、顔を知ってるのはビビだけだ」
「反乱が始まる前ならいざ知らず。この乱戦の中リーダーが誰かなんて把握できるわけない」
そう、最初から知っているわけでもない限り。