第60章 目指せアルバーナ
「ルフィ!みんな~!」
正面からかけてくる彼らにチョッパーが歓喜の声を上げる。
駆けてくる彼らもまた喜ぶと同時に水琴達が乗るヒッコシクラブに驚いた。
「あの、ゾロ…」
ヒッコシクラブに乗り込んできたゾロの腕をくっと引く。
「あん?」
「その…スモーカー大佐は…」
「あァ、ルフィが助けろって言うから助けた。ったく、敵だってのによ」
「そうなんだ」
ゾロの言葉にホッとする。姿は見えないが無事ならば一安心だ。
「おい、二人とももっと中の方に乗らないと落ちるぞ」
「あ、うんごめん!」
エースの声に水琴とゾロはそれぞれの位置に座る。
全員が乗り込んだのを確認するとヒッコシクラブは再び力強い脚力でもって走り始めた。
その速度に希望が見える。
「これならアルバーナまであっという間だね!」
「えぇ……!」
隣り合うビビに笑いかければビビもまた明るい表情で頷く。
このまま順調にアルバーナまで行けると誰しもが思った。
「__っ?!」
突如目の前でビビが消える。
「ビビッ?!」
「止めろチョッパー!」
いつの間に追いついたのか、砂となり伸びたクロコダイルの鉤爪がビビの胴体を捕らえていた。
叫ぶゾロの言葉を聞きながら引っ張られ落ちるビビに手を伸ばす。
その腕にしなやかな腕が咲いた。
「っ?!」
その腕は驚く水琴の襟元を握り強く引く。
勢いに負け水琴の身体は宙を舞った。
突然のことで風となることも忘れ、水琴の身体もまたヒッコシクラブから引きずり降ろされるかに見えた。