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【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第51章 空に舞うは桃色の雪










 

 「なァ、ちょいと尋ねたいんだが」

 元ドラム王国、ロベールの町。

 珍しく雪の降らない日に一人の旅人が現れた。


 黒いコートに身を包んだ男は通りすがりの住人に一枚の手配書を見せる。

 「この辺りでこんな奴を見かけなかったか?」
 

 言わずもがなエースである。


 「あぁ、確かドルトンさんのとこにいたな。って3000万?!」
 「やっぱいたか」

 答えた住人が目を飛び出して驚いているのをスルーし、エースは予想が当たったことに喜ぶ。

 「で、そのドルトンってのはどこにいんだ?」
 「ビッグホーンの村でまだ復興の手伝いをしていると思うが…しかし、今行っても無駄だぞ」

 男の言葉に首を傾げる。
 
 「その坊主ならもう一昨日アラバスタに向けて出航しちまったよ」
 「一昨日?!」

 今度は男の言葉にエースの目が飛び出す。

 エースの予測ではルフィ達の航路とぶつかるのはこの島か、もしくは次の島だった。


 「計算を誤ったか…?」


 まさか水琴の能力で大幅に速度を上げているとは知る由もない。

 
 「おいあんた!そいつを捕まえてくれ、食い逃げだ!!」
 「やべ!!」

 店主に見つかったエースがいつものごとく逃げ出す。
 
 そしてそのまま海へ向かった。
 

 「アラバスタって言ったな確か…」


 この島からの航路ではアラバスタへは辿り着けない。

 つまり、エターナルポースを持っているということだ。


 ドラムからアラバスタまでの直進航路を確認する。


 ストライカーのような小舟の場合、あまり長期間の航海は出来ない。定期的に島へ寄る必要がある。

 
 「うまくいって一日前か…」

 
 ストライカーが辿る航路とルフィ達の船の速度を加味すると、上陸できるのは一日前。
 
 ルフィ達の船がどの町に寄るかも分からない。
 出来ればもう少し早く上陸したかったが、こうなっては仕方ない。


 水琴のビブルカードを取り出し方角を確認する。

 その示す先は、何の因果かアラバスタ方面。


 「アラバスタで両方見つかったりしてな」



 まさか一緒にいるとは思っていないエースだった。 
 




 
 
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