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【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第45章 Mr.0








 「……あ、あれ見て」



 しばらく進むと妙な物が見えた。



 緑一色のジャングルに一際映える白い建物。


 「なんだこりゃあ」
 「誰か住んでるのかな…?」


 コンコンと扉を叩く。

 反応はない。


 顔を見合わせ、サンジが扉をガチャリと開けた。

 抵抗もなくすんなりと扉は開く。



 中にはジャングルの中とは思えないほど快適な空間が広がっていた。

 ベッドにテーブルセット。
 美味しそうな軽食やティーセットまで置かれている。

 小物以外は全て白い何かで出来ているということを除けば、十分な環境だった。



 「何これ……」
 「こりゃすごいな…」


 つんつんとサンジが足で家具をつつく。

 強度は十分らしく、固い感触がサンジの足に伝わる。


 「少し調べてみるか。何か手掛かりがあるかもしれねェ」
 「そうだね」

 慣れないジャングルの中を歩いて少し疲れたのもあって、ベッドに腰かけ近くの小物を漁る。

 しかしこれといって仲間の状況を知れるような物は置いていない。


 「どうぞ」

 ことりと淹れたての紅茶が置かれる。
 礼を言い、水琴は湯気を立てるティーカップに口を付けた。

 ほー、と二人同時に息を吐く。


 「やっぱり、アフタヌーンティーはアールグレイに限る…」



 ………。


 「「じゃなくて!!」」


 二人同時に我に返った。


 「なんてこった!こんな風に落ち着いてる場合じゃないってのに!」
 「なんだか思わぬ環境に心が緩んで…はっ、これが罠?!」


 当たり前だが罠でも何でもない。



 「手掛かりもないみてェだし、そろそろ出るか」


 立ち上がりかけた時、ぶるぶるぶる、と妙な音が聞こえた。


 「なんだ?」


 サンジが音の出所を探れば、紫色の妙なカタツムリ。


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