• テキストサイズ

【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第31章 選んだのは






 「おォ!無事だった!」
 「エースが釣れたぞー!!って、あれ…?」
 「……あ、こんにちは」



 引き上げてくれたクルーと目が合う。



 「あれ……水琴?」
 「えっと、うん」
 「おい、エース生きてるか…って、水琴ちゃん?!」


 呆然とするクルーの後ろからやってきたサッチが水琴に気付く。



 「どうして海に…いや、帰ったんじゃなかったのか?!」
 「うん、帰ったんだけどね」


 「水琴だ。そうだ水琴だよ!」
 「なんで忘れてたんだ、俺……」
 「おいこりゃあ何の騒ぎだよい」
 「マルコ隊長!それが、水琴が…!」
 「うん?」


 船内から出てきたマルコがずぶ濡れの水琴を見つける。


 「……こりゃどういうことだよい」
 「えーと。話せば長くなるんだけど」


 ざわつくクルーたちを見渡し、立ち上がる。



 「みんな、騒がせてごめんなさい。

  勝手に帰って、勝手に戻ってきて、こんなこと言うのもおこがましいんだけど。

 もう一度、私を家族にしてください」


 よろしくお願いします!と頭を下げる。戸惑うクルーたちの気配を感じた。



 「水琴」



 静かな声が水琴を呼ぶ。

 

 「親父さん……」

 「グララララ…短ェ里帰りだったな」





 その一言で、無意識に張りつめていた気がふっと緩む。

 くはは、と足元から笑い声が漏れ聞こえた。

 視線を下げればまだ座り込んだままのエースがこちらを見上げている。





 「おかえり」

 「……っ」



 不覚にも涙腺が緩む。




 「おーー!!水琴おかえり!」
 「よく帰ったな!オルガンまだちゃんとあるぞ!」
 「また大富豪やろうぜ!!」



 エースを皮切りに口々と水琴を迎え入れる「おかえり」に、水琴はごしごしと目をこすりぱっと笑顔を向ける。




 「……ただいまっ!!」



/ 1122ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp