第1章 闇の鍵と無の組織
「で、またそんなとんでもないことを引き受けたってわけね」
寮への帰り道、いつものようにエース、デュース、ジャックと帰っていた僕達は生徒失踪事件解決を任されたことを話していた。
「でも本当に大丈夫なのか? そんな危険なこと、無理してやらなくてもいいと思うが」
「同感だな」
デュースとジャックは心配そうにそう言う。
エースもあまり良くは思っていなさそうだ。
「まぁ、何かあったらすぐ頼りなよ。もう巻き込まれるのも慣れたしさ」
そんな時である。
2列になっていた僕達は前にエースとデュース、後ろにグリムを抱えた僕とジャックで歩いており、話すために後ろを振り向いていた2人は前に現れた何かの影のようなものに気が付かなかった。
「エース、デュース、危ない!」
「え?」
僕達が声を上げた時には既に遅く、もう影が飛びかかろうとしているところだった。
これから起こることへの恐怖に目を閉じる。