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戦乱の蝶姫

第7章  変えてしまった歴史


攻撃を交わすことに飽き始めた私は、反撃に出てやろうと思い、抜刀しようした。

「まてっ、猿!」
「…っ、お館様!…しかしっ!!」

突然、茶色い髪の男の動きが止まった。…何なんですか、一体?怪訝な顔をしながら彼らの方を向く。さっきまで、抜刀しようとしていたのでその状態のままだ。どうやら、あの信長様が止めてくれたみたいだ。別に、止めなくてもいいんですけれど。そのまま、痺れ薬を打って動けなくさせるだけですし。私は、彼らを、特に信長様を睨んだ。

「この女は、安土に連れて帰る。猿、支度をせよ。」
「…っお館様!!」
…随分と険悪な雰囲気ですね。ていうか、その猿さん?…が先程から私を射殺しそうな目で見てくるのですが……。

「まあ、そうかっかするなよ秀吉。俺は、その女に興味あるぜ。なにせ、信長様を抱えたまま、木の幹に飛び移っていた女だしな。」

そして、いきなり話に入ってきた眼帯をした男。…そもそも、見られていた訳ですか。この人たちは一体…?状況がよく分かりませんが、取り敢えず、信長様は私を連れて帰りたいみたいですね。大人しくついて行った方が良さそうです。全く、どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。…今分かっていることは右も左もわからないこの世界で情報を集めなければいけないこと。そして、元の世界に戻る手段をなんとしても見つけ出さないといけないこと。やらなければいけないことが山積みですが、頑張らないといけませんね。そうして、私が決意を改めていると低い声がした。

「っ…承知しました。……っそこのお前!!」
「…はい、私ですか?」

突然切りかかってきた男に指を指された。…さっきから、ずっと睨まれていて怖いのですが。

「変な真似をしたら、即刻切るからな!!」
その男は更に睨みを強めて、私に怒鳴った。何か、不死川さんみたいですね…。他にもいるんですね、怒りっぽい人って。

「それは、どうでしょうか?さっき見た所、あなた私にかすり傷一つ負わせられていないじゃないですか。即刻なんて無理なのでは?」
「なんだとっ!!!」
「まぁまぁ、落ち着けってお前ら…。」

今、眼帯の彼になだめられている怒りっぽい人。串刺しにしてやろうと思いましたが、まあいいです。

「…貴様ら、さっさと支度をしたらどうだ?」
「…あわわわ、お館様ぁぁぁ…」
少年がおどおどとこちらを見ていた。
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