第18章 新たな出会い
「…そっか、ごめんね辛いことを聞いて。」
申し訳なさそうな顔をする彼。
「…いいえ、大丈夫ですよ。それに、私も同じ境遇の方とお会いできるなんて思ってもいませんでした。…あと、質問いいですか?」
「…?いいけれど、なんだい?」
「…姉とは何処で会ったのですか?…教えて頂きたいのです。」
私は下を向きながら、話した。…聞こえていただろうか。
「…ごめんね、彼女に会ったのは本能寺の近くだったんだけれど、消えてしまったんだ。体が透けていたから恐らく人間ではなかったと思う。…手がかりにならなくて済まない。」
「…とんでもない、教えて頂きありがとうございます。(ニコっ)」
私が彼に微笑みを向けると彼は言いづらそうに話しだした。
「…ごめん、言いづらかったら言わなくていい。……君のお姉さんはもう亡くなっているのかい?」
「…お察しの通りですよ。(ニコっ)」
それ以上は言えなかった、姉と私の関係を誰かに土足で踏み荒らされたくなかったから。
「…ごめん、辛いことを聞いた。」
「…大丈夫ですよ。…ところで、他にも聞きたいことがあるのですが、宜しいですか?」
「………。勿論、その為に時間を作ったんだから。」
そうして、私達は未来の事私は特に医療の事が気になったので、色々と彼に聞いた。時々、謙信様や幸村さんも話に加わってきて、とてもたのしい時間だった。
「…へぇ、100年後では病院と言うものがあるのですか!」
「…姫様、お茶をお持ちしました。ふふっ…随分と楽しそうですね。」
「ふふっ…そうでしょう。陽、ありがとう。お茶を差し上げて。」
「畏まりました。」
私達がお茶を受け取り飲みながらまた話していると、横たわっていた男性が目を冷ました。
「ゔぅ…。………ここは、何処だ?」
男性は辺りをキョロキョロと見回した。
「…ふふっ、漸くお目覚めですか。随分とお寝坊さんですね。…おはようございます、体の調子は如何でしょうか?」
「…君が助けてくれたのかい?」
「はい、一応…医者ですので。」
そう言うと、彼はいきなり私の手を掴んできた。
「なっ…、甲斐の虎!貴様、姫様に何をする!」
「美しい…なんて美しいんだ。君は今まで見た女性の中で一番、美しいよ。まるで、闇夜に舞う蝶の様だ。」
「…ちょっ、いい加減にしてください、信玄様!」