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戦乱の蝶姫

第18章  新たな出会い


「はい、でも長話になりそうですね。…陽、この方たちにお茶をお出ししてあげて。」

「…承知しました、姫様。」

陽は、簡易に作られた台所に行った。

「そういえば、あなたも時空を超えてきたとおっしゃっていましたね。…へいせいとは聞いたことが無いのですが、具体的には西暦何年なのですか?」

「…平成27年、西暦で言うと2014年かな?しのぶさんは何処の時代の人なんだい?」

「私は大正4年、西暦で言うと1915年です。わぁ…随分と時代が違いますね!およそ100年ぐらいでしょうか?」

「…そうだね、驚いたな。まさか、大正時代の人だったなんて。だから、刀を持っていたんだね。…でも、確か廃刀令が出なかったけ?」

彼が不思議そうに聞いてきた。

「ふふっ…感が鋭いんですね。はい、普通なら刀は持てません。私の場合は特殊ですよ。」

「…その特殊な場合って聞いていい?」

私たちの間に暫しの沈黙が流れた。

「…ごめんなさい。余り、言いたくないんです。私の過去に関わりますから…。」

私は困ったように笑った。

「へぇ…お前って結構秘密が多そうだよな。何考えてるかわかんねぇし…。」

「失礼ですね、幸村さん。…別に警備の方を呼んでもいいんですよ?(ニコっ)」

「…げ、それは勘弁してくれ…!」

「……ふふっ…。それにしても、驚かないのですね、御二人は。私の出自について。」

私は謙信様と幸村さんを交互に見た。

「…生憎とそう言う意味わかんないこと言うやつはもう、間に合っているからな。」

「…お前が何者であろうと、信玄を救った奴には代わりはない。」

どうやら、心配は杞憂だったみたいだ。

「…ふふっ、嫌いじゃありませんよ、そういう割り切った考え方の人は。…さて、話を戻しましょうか。」

「…うん、そうだね。しのぶさんはなんでこの時代に来たのか分かる?…俺の場合は自分の意志で来たんだけれど、君の場合は…。」

「…正直に申しますと、よくわからないんです。何せ、私はあの時死んだのですから。」

「「「…?!」」」

「…それって、事故とかに巻き込まれて?」

「…いいえ、ある男と戦って敗れて、殺されたんです。…詳しくは言えませんけれど。」

「…なるほど、じゃあ蝶って見た?…緑色の羽の蝶なんだけれど。」

「…ごめんなさい、気がついたら本能寺の近くの森で寝ていたので…。」
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