第18章 新たな出会い
「…はあ?たいむすりっぷ?へいせい?何を分けのわからないことをごちゃごちゃと…。」
私は対峙している佐助という青年に不審な目を、向けた。
「…俺の予測だけれど、胡蝶さん。君も時空を超えて来たんじゃないかな?」
少年は私の睨みをものともしないで、更に話を続ける。
「…その話は一旦後にしてくださいまし!患者が優先でございます!…姫様!」
準備から戻ってきた陽が、話に割り込んできた。
「…ええそうね、…睨んでしまってごめんなさい。佐助…君でいいでしょうか?…その話はこの方の処置を終えてからにしてもらえますか?」
私はチラッと患者を見た。横たわっている分だいぶ楽そうに見えるが、収まったわけではない急いで処方薬を飲ませないと。
「…ごめん、邪魔してしまって。処置をお願いします。」
そう言うと、青年はボロボロと泣いている彼の方に行った。私はそれを確認した後、陽に指示を出した。
「陽、棚の上から2番目の瓶と引き出しの1番手前の、右から5番目にある薬草を取って!…それから、私の所有している、乳鉢と乳棒も!」
「畏まりました、姫様!急いでお持ち致します!」
陽は慌ただしく掛けて行った。恐らく、彼女の事だからちゃんと用意してくれるでしょう。…あとは、水を準備して、何かろ過をするものを…。
私は慌ただしくも必要な道具を集め、薬を作る準備をした。
「…胡蝶さん、此れは一体?」
佐助君が不思議そうに此方を覗き込んできた。
「今回の患者の症状が危険な状態なので、粉末でなく、液体の方が飲みやすいと思ってこのようにしました。」
私は、道具を見せ、陽に持ってきてもらった薬草をすり潰し、ろ過するための用具の一番上にいれる。勿論、ろ紙を貼っているので異物が混ざることはない。そうして、綺麗な水を更に上から流して、ろ過をする。その後に、お茶を作る要領で汚れを取った薬草を細かな網の上に出し、上から熱湯と水を足したぬるま湯を掛ける。勿論これは患者が薬を飲みやすくする為だ。こうすることで、粉末ではなく液体の薬を取り出すことが出来るのだ。
「……すげぇ。…お前、一体何者だよ?」
さっきまで、泣いていた人がすぐ後ろで見ていた。
「もう、邪魔しないでください!あとちょっとですから!」
「…す、すまねぇ。」
私が怒ると、申し訳なさそうな顔をした人だった。