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戦乱の蝶姫

第6章  織田信長


少しの沈黙が私達3人の中にあった。…なんですかこの状況は。早く喋って下さいよ、織田信長って言ったそこのあなた!

「鬼殺隊…?……聞いたこともないな。…貴様、嘘を申していないだろうな…?」
考え込む仕草をしたと思いきや、突然私に殺気を向けてくる。さっきから、本当に偉そうな人ですね…!ていうか、助けて貰った恩人に普通、殺意を向けます?
まあ、私は殺意を向けられたところで仕事の関係で慣れているのでどうってことは無いのですが。

「いいえ。嘘は言ってませんよ。あなたこそ、自分があの織田信長だなんてよくもそんな大口を叩けますね?」
…そもそも、この人さっき自分のことを織田信長って言いましたよね?……頭大丈夫でしょうか?織田信長といえば、尾張の国の大名であり、かつて天下統一の一歩手前まで進めた人ですよね?……幼い頃に見た、歴史の本に書いてありました。随分と残虐な方だったみたいですけれど。……待ってください。もしかして………。
「ご恩があるあなたでも流石に容認することはできません!…この方は私の主である尾張の領主、織田信長様です!!」
さっきの少年がその男の前に立ってボロボロでありながらも私に刃を向けてきました。…だから、なんで恩人に刃を向けるんですか?そこまで、恩知らずなんですか?しかし、嫌な予感がしてきました………。
私の予想は当たって欲しくはありませんが。
「……失礼ですが、今は何年ですか?」
私の問に少年は不思議そうな顔をして、困惑しながら答えた。
「何年って、今は天正10年ですよ?知らないんですか?」
……最悪な予想が当たってしまいました。…つまり、状況を、整理すると私が今ここにいるのは私がいた場所からおよそ数百年前の日本…。つまり、戦国時代ってことですか?!……っしかも天正10年って、西暦で1582年ということ。私はあの本能寺の変で死ぬはずだった織田信長を助けたってことですか……っ!!

「…なっ、なっ!なんですかそれぇぇぇ!!!」
私は前の2人が見ているのにも関わらず、思いっきり声をあげてしまいました。…いや、無理ですって!この状況で、落ち着いていられる人なんていませんって!!………しかし、本格的に困りましたね。ここが、過去の世界なのかはよくわかりませんが、血鬼術かもしれませんし、油断はできません。……どうしましょうか。私は、眉を下げて困ったように彼らの方を見た。
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