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戦乱の蝶姫

第5章 【お館様】


「【お館様】!!しっかりなさって下さい!どうして目をお開けにならないのですか?!」
少年が【お館様】とやらに、呼びかけますが、返事がありません。……そういえば手刀をしてましたね。忘れていました。
「少年、すみませんが少々退いて頂いても?」
「えっ…?は、っはい!」
戸惑った様な様子を見せるその少年は潔く【お館様】から離れた。強引ですが少年を安心させるためです。
「…一体何を?…っ!!!」

…っゴ!!
私は勢い良く【お館様】の背中に膝を使って刺激を与えた。……何か変な音がしましたね。まあ、いいでしょう。これで恐らく…。

「…っ、俺は…?っ!!それよりここはどこだ!?」
ほら、目を覚ましましたよ。さて、このあとどうしましょうか…?……そう思っていた矢先に突然助けた方から刃を向けられました。…何なんでしょうか一体?
「貴様…。何者だ。」
…助けてもらってなんですか?その態度は。イライラしますね…。
「貴様…ですか。随分と失礼な方ですね。助けて貰って何なんでしょうか?そんなにツンツンしてると、嫌われますよ。」
私は満面の笑みでその失礼な方に顔を向ける。
「…ほう。この俺に物申す奴がいるとは。面白い女だ。……貴様、名は?」
その失礼な方は口元をニヤリと形作ると、私の方を向いてきた。
「……名を名乗る時は、自分からってよく言いません?そんなことも、わからないんですか?常識を知らないんですね。」
私は更に笑みを深めて、彼を見る。…やっぱり、随分整った容姿をしていますね。いいところの坊っちゃんでしょうか?
「…っはははは!!実に愉快だ!良かろう、俺の名を教えてやろう。……俺は織田信長だ。この戦乱の世では第六天魔王と呼ばれておるわ。……さて、貴様の名を教えて貰おうか。」

…っは?今この男なんて言いやがりました?…織田信長?……っえ?…………まさかっ!?
「うん…?どうした、早く申さぬか。」
…人の神経を逆なでする野郎ですね。下手したら無惨より質が悪いかもしれません。
「…すみません。少し…驚いていたもので。…それから、そちらも名乗って頂きましたし、私が名乗らない訳にはいきませんね。私の名は胡蝶しのぶ。鬼殺隊で蟲柱をしています。一応は挨拶させて頂きます。」
私はお辞儀をして彼らの方をまっすぐ見た。…先程から見ていてもやはり、この方たち何処か異様です。一体何なんでしょうか?


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