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戦乱の蝶姫

第18章  新たな出会い


チュンチュン…
あれから、数日が過ぎ今日はこの戦国時代に来ておよそ、ニ週間が経過した。…何故か、薬姫として女中の皆や家臣の人達の健康を見る事となり、中々出来上がった診療所に足を運べなかった。…信長様が面白いからと言って変な提案をなさるから…。


「…この時代って、健康診断って無いですよね。」 

私が、朝餉中に話してしまった言葉が原因だった。

「…なんだ、そのけんこうしんだんって?」

政宗さんが不思議そうに聞いてきた。

「健康診断というのは、医者が患者に対して健康かそうでないかを判断することを意味します。…調べるのは面倒くさいですけれどね。」

苦笑いしながら話していると食い付いてきたのは、信長様信者の方だった。

「…いいじゃないか!やりましょう、お館様!けんこうしんだんなるものを!お館様の健康を維持するためにも是非!」

私はその話を聞いて、とてつもなく嫌な予感がした。

「ふむ、面白そうではないか。クックックっ…しのぶ、貴様には本当に驚かされてばかりだな。…よかろう、けんこうしんだんなるものを執り行うぞ、良いなしのぶ。」

…この、自信に満ち溢れている目は拒否権無しですよね。…そんな期待に満ちた目で見つめないで下さい、秀吉さん。

「…必要な道具が余りにも足りないのですが。」

「…?だったら作れば良い。」

はいそうやって、簡単そうに言う!

「難しいんですよ、時間が掛かります。」

私が呆れたように言うと、信長様は少し考えてまた話しだした。

「…ならば、時間をやろう。…一週間だそれ以内に道具を作れ。」

「…はい?!」

そんなこんなで、徹夜が続き、採血道具などを作ってそれを安土全体で行うので、本当に猫の手も借りたいくらいだった。…幸い、家康さんと少しやり方を教えた陽が手伝ってくれて何とか終わりました。…その後の健康診断票を書くのに三日使いましたが、なにか?私は、この二週間の疲れでもう動きたくなくなっていた。

「ふふっ、蝶姫様。一段落付いたのであれば、診療所に行ってみては如何でしょうか?私もお供致します。」

「陽、あなたも疲れていないの?ずっと、働きっぱなしでしょう。」

何故か、とてもいい笑顔の陽を呆れて見る。

「…姫様、私は仕事が大好きなのです。…ですから、まだまだ働き足りないくらいですよ。」

「それ、完全に仕事中毒よ。程々にね。」
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