第12章 似たもの同士
「……今、胡散臭い笑い方をする女って聞こえましたが?(ニコっ)」
「…そう聞こえたなら、そうなんじゃない?」
「……喧嘩売ってるんですか?」
「…別に。」
「……………。(ニコっ)」
私は黒い笑みを彼に、向けながらとてもイライラしていた。
「こらこら、お前たち信長様の前で喧嘩をするんじゃない!」
「…してませんが?…目、大丈夫ですか?」
「…目、腐ってんじゃないの秀吉さん?」
私と、家康さんは辛辣な言葉を秀吉さんに言った。
「あのなぁ…どう見たって喧嘩してるだろうが!それと、俺の目は正常だ!」
どうやら、秀吉さんを怒らせてしまったみたいです。……こういう時の、信長様ですよ。そう思い、私は信長様の方を見た。
「…猿、一番煩いのは貴様だ。……少し黙れ。」
「…はっ、お館様。」
何とかこの場は収まりました。…家康さんは許しませんけれど。不貞腐れて、また食べ始める。すると、秀吉さんから提案が出た。
「お前ら、何時までも喧嘩してても困るから、仲直りしてこい。……家康、今日は一日休みだ。しのぶとどっかに行ってこい。」
…何言ってるんですか、秀吉さん?
「はぁ…?何言ってるの秀吉さん。信長様も何か言ってよ…。」
「ふむ…猿の言うことにも一理あるな。家康、今日は一日休暇をやる。その間に、しのぶとの仲を直せ。」
「……はぁ?」
家康さんが心底嫌そうな顔をする。…そんな顔をしたいのは私の方ですよ!
「…それって、命令ですか?」
「…ああ、貴様への命令だ。」
「……分かりましたよ、行けばいいんでしょ、行けば。…………しのぶ。」
突然名を呼ばれてビクッと肩を動かす。…何か、怖いんですけど。
「…何ですか、家康さん。」
……まさか、嫌な予感がします。
「…今日、どうせ暇でしょ?……一緒に行くよ、城下に………朝餉食べ終わったら門の前で集合。」
「…はい?嫌に決まって…っ!」
…秀吉さん、そんなに睨まないでください。…光秀さんはニヤニヤしてないで助けて下さいよ。
「……っ、分かりましたよ。行けばいいんですよね、行けば。」
私はそう言って、そっぽを向いた。
「……お前らって、似たもの同士だよなぁ…。」
政宗さんが呟く様に言ったのがはっきりと聞こえた。
「…こんな人と一緒にしないで下さい。」
「…こんなのと一緒にしないで。」
私と家康さんは政宗さんを睨んだ。
「おぉ…こえぇ…。」