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戦乱の蝶姫

第2章  炎の香り


……私、死んだのよね?そう、死んだのよ。あの、上弦の弐に食われたはず。くそっ、あいつが私を食って藤の花の毒で死ぬところまで見届けたかった!それなのに、なんで生きてるの?!…っえ?そもそも、ここはどこ?無限城は?鬼殺隊の皆は?鬼共は?無惨は倒したの?……わからない、そもそもなんで私は芝生の上にいるの?!

そう、今の私は満身創痍の状態だった食い殺された時とは程遠く、綺麗な鬼殺隊の隊服と羽織をはおり、私の独特の日輪刀を腰にさした状態で、どこかわからない芝生に横になっていたのだ。しかも、森の奥らしく、辺りは真っ暗というおまけ付きで。意味がわからない!!

「一体全体、何がどうなってるのでしょうか…。」
とりあえず、落ち着くために癖になっていた、敬語で話すことをしてみる。…うん、大丈夫だ。私は強い。おそらく、此れは鬼の血鬼術の類いだろう。あの鬼、まだこんな力隠し持ってたの?!…取り敢えず、明かりが見える方へ行ってみよう。近くに住んでいる人を探さないと…。…?何かの燃える匂い?何処から?

私は、その匂いの原因を突き止めるため、近くの高い木に呼吸法を使って一息に登った。どうやら、煙は近くの建物が燃えているらしい。…取り敢えず行って、様子を見てきましょうか。もう一度足に力を入れ、近場の木の幹を足場にしながら、その燃えている場所に向かった。

…ゴォォォ
「此処は…寺でしょうか?」
近くまで来てみると造りの良さそうな大きな寺が燃えていた。というか、そもそもなぜ寺が燃えてるいるのでしょう?まさか宗教の過激派がこんなことをしないと思いますし、それにしても此れ、人が中にいたら死んでいるんじゃありません?まあ、どうでもいいですけれど。

「ゔゔぅぅ…っ」
一人の全身火傷を負った一昔前の兵士の様な格好をした人がこちらに履いずってきた。よく見ると、まともに動けるような怪我ではない。
「あら…もしもーし、大丈夫ですか?」
私はいつもと変わらない万人受けする笑顔を貼り付けながら、その人の下へ駆け寄った。
「…っあんたは、…いっ…たい?」
「一応、医師の資格を持つものです。一応ですけれど。それと、動かないでください、傷口が余計に開きます。」
私は、その兵士の様な人の行動を静止し、いつも持ち歩いていた器具を出し、薬剤の調合を始める。どうやら、まずはこの人から話を聞いたほうが良さそうだ。






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