• テキストサイズ

戦乱の蝶姫

第9章  安土という場所


「分かりました、しのぶ様。出来れば三成と呼んで頂きたかったのですが、慣れないのでしたらそのように呼んで頂いて構いません。此れから、よろしくお願いしますね。」
ニッコリと、此方が怯むような爽やかな笑みを浮かべる三成君。なるほど、此れが万人受けする微笑みですか…。この人もかなりモテそうですね…。そもそも、この城には、美形しかいないのでしょうか?顔面偏差値が皆さん異様に高いのですが…。

「此方こそ、三成君。」
ニコニコと話していると。背後にいる、信長様から不機嫌な声が漏れた。
「…三成、貴様、俺の所有物と随分と親しげに話すではないか。」
…だから、所有物って言うの止めてくれません?文句を信長様に言おうとした時にまた、横槍が来た。

「信長様、お戯れは後に、そろそろ軍議の予定時刻でございます。」
秀吉さんが信長様の前に出て、膝を付いて話した。
「…邪魔をするな、猿。…っと言いたいところだが、城の皆を待たせる訳にはいかないな。良かろう、此処での話の続きは城の中でだ。…良いな、しのぶ。」
…どうせ、はいしか言えないんでしょうが…。そんなに睨まなくても分かってますよ、秀吉さん…。
「…分かりましたよ。」
嫌嫌ながらも肯定した私を満足げに見た、信長様はそのまま、城の城門へと馬を進めた。…さっきから、城下の方々と城の方々の視線が痛いのですが…。


漸く、城の内部に到着した私達は、馬を降りてそのまま軍議の場へと足を進めた。…それにしても、本当に広い城内ですね。…私の屋敷がとても小さく見えます。歩き続けていると、ある部屋に連れて行かれた。
何故か、私だけです。…付き添ってくれている女中さんに話を伺ったところ、何でも信長様が私の着飾った姿が見たいのだとか。…随分と我儘ですね、あの人。それに、付き合わされる周りも大変ですね。そう言おうと思って、彼女たちの顔を見ると…何故かウキウキしていらっしゃいます。…何故です?

「あの信長様も遂に懇意にする御方が出来るなんて。ありがとうございます、しのぶ様!」
「それに、話を伺ったところ炎の中から、信長様を救って頂いたとか!本当に感謝してもしきれません!」
「しかも、その御方の装いを私共が出来るなんて光栄でございます!」

何でその話が広まっているんです…?一体誰が?
「…あの、先程の話は何処から来たのでしょうか?」

「…?政宗様ですけれど…。」
/ 147ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp