• テキストサイズ

暁の契りと桃色の在り処 ー音ー

第18章 雲間から望む


「わぁ、楽しみ。…咲、ササユリを生けて貰える?」

『かしこまりました。ふふっ。』

「咲?どうしたの?」

『いぇ、お幸せそうな様が見れて嬉しくて。』

「え、あ。そうだね。また、みんなと話せて一緒にいられて幸せかな。」

が柔らかく笑うと、褥を囲んで座っていた武将達と佐助、そしての真後ろで背中から抱き締めるように腰かける信長が、穏やかに微笑んだ。

『…少し休もうか、。』

『そうですね、リハビリもしましたし。』

『…佐助。馴染みすぎ。』

『ありがとうございます。』

『…よし。秀吉、光秀が戻ってきた。戦や政務について軍議をする。佐助は、といろ。』

『『『はっ。』』』

『、少し空けるぞ。夕げまで体を安めるといい。』

「はい、ありがとうございます。」

信長が言い終わると、五人はゆっくり立ち上がる。

『秀吉、光秀。着替えてこいよ。』

『あぁ、そうだな。』

『では、四半刻後に広間にて軍議だ。』

『はっ。』

『俺はそれまで、ここにいる。』

信長は、の左隣にごろりと横たえた。

『そのまま寝ないでくださいよ?』

『秀吉が起こしに来るだろう。』

『勿論です。』

「私は大丈夫ですから、軍議始めてください。」

『あぁ、準備ができたらな。それまで貴様と共に休む。』

「…もぉ、困った人。ふふふっ。」

ようやく普段に戻りつつある生活と、仲むつまじい安土城城主と妻の姿を、忠誠を誓う武将達は優しく見守り、頭を下げ部屋を出ていった。



軍議が始まると、の元には佐助がついた。

「綺麗なオレンジ。」

『あぁ、光秀さんが花を摘む姿を創造すると… レアすぎて感動しちゃうな。』

「秀吉さんの摘んだ野苺も楽しみ。」

『ほんと…、愛されてるね。』

「…死ななくて良かったと思ってる。」

『えっ。』

「私、きっと危なかったと思う。色んな奇跡が繋がって、助かったんだと思う。死ななかったから、また皆に会えて、幸せだし。」

『万が一、さんがどうにかなってたら安土も越後も大変だったと思うよ。本当に、良かった。』

「ありがとう。」

『信長公に話そうと思うんだけどさ。』

「うん。」

『そろそろ、越後に帰るよ。』









/ 101ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp