第18章 雲間から望む
『ほんと、世話が焼けるけど、もうあんたがいないなんて考えられない。』
『俺は、いつだって愛してる。』
『政宗公、直球ですね。』
『、貴様は太陽だ。我らの行く道と帰り道を照らす。』
『これからも、御支えいたします。』
『あぁ、何があっても必ず。』
「みんな、ありがと。」
誰からともなく酒が注がれ、合わせる音がする。
笑い声、泣き声、それを冷やかす声。
いつもと変わらない事が幸せなのだと、それを全ての民に分け隔てなく広がるような世に、と誰もが祈り誓う。
煌めくようなありきたりの幸せを、は噛みしめ愛する人の姿を瞳に映した。
そして、彼もまた同じように愛する人へ視線を移した。
これから先、何があっても共にいる、と誓うように。
いつの間にか雲間から望む月明かりが、いつまでも続く小さな宴を優しく照らしていくのだった。
完