第17章 嘘のような奇跡
『でも、なに?』
家康が佐助の方に視線を向ける。
それに、政宗と三成が追った。
『本当かもしれないですよ。』
『何故、言い切れる?』
『政宗さん、忘れたんですか?』
『は?』
『あのお二人は、時をかける恋をして結ばれたんです。嘘のような奇跡みたいな本当の話がここにあるんです。
産まれてくる子が助けた、なんてこともあり得るんですよ、きっと。』
『はぁ、成る程な。』
『ま、そうかもね。』
『素敵な、事ですね。秀吉様が知ったら感動されることでしょう。』
『泣くんじゃねぇか?』
『はぁ、面倒。』
『でも、面白そうだから教えてやらなきゃな。』
四人が見上げる空には、キラキラと星が輝き出している。一等星と柄杓星。
自然と綻ぶ四人の口許は、これから来る未来を心待にしているようだった。
『さ、夕げにしよう。』
安土城に、明かり灯される。
の部屋に、六人分の膳が運ばれ、和やかな夕げが始まるのだった。