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暁の契りと桃色の在り処 ー音ー

第12章 点と線


『そうですね。我らも皆さんと同じく、さんと線で結ばれている点の一つなのでしょう。』

佐助が言い終わると、静かに一同がの眠る部屋に視線を向けた。

『佐助、直ぐにこの傷薬使わせてもらう。』

『はい。』

『俺は三成の補佐をしながら、の政務をするからあんた達は警護を頼むよ。』

『あ、はい!』

『おい、おい、家康。素直じゃねぇか。』

『政宗さん、人足があれば楽ですからね。』

家康は、ふいっと視線をそらす。

『早く終わらせて来てください。じゃなきゃ、上杉が攻めてくるから。』

『あぁ、任せろ。』

秀吉は、家康の方を叩くと政宗と頷き合った。

『佐助、上杉の忍びも西にいるのか?』

光秀がゆっくり話始める。

『はい、そしてかの大名の周りにも放っております。』

『なるほど、流石だな。…信長様、佐助側との情報の確認をしても?』

『任せる。』

『よし、家康。佐助を借りるぞ。』

『どうぞ、お好きに。』

『よし、政宗。俺たちも出陣の確認だ。』

『信長様、政務の確認ですが、』

各々が自身の仕事の為に動き始める。
家康は、立ち上がるとの部屋へ向かった。





呼吸は早いが、落ち着いた様子では眠っていた。
水桶がなくなっている。家康は、咲が変えに行ったのだろうと思った。
額に手を当てると、まだかなり熱いが、髪の生え際はじっとりと汗がにじんでいる。

右肩口に手をかけ、晒しを覗く。
うっすらとした赤みと滲むような化膿の跡。

家康は、手際よく傷の処置を始めた。

傷口の晒しを剥がす。
新しい晒しには佐助が持ってきた傷薬をのせる。

『家康様、いらっしゃっていたのですか?』

『あぁ、咲。その水使わせて。』

咲が持ってきた水で手拭いを濡らし、傷口を拭きあげると新しい晒しを当てた。

すっと襖が開く。

『どうだ?』

『の、信長様!』

『咲、気にするな。の世話、大義である。』

『…熱はあまり下がりませんが、予想より化膿しませんでした。越後の傷薬を使いました。効けば良いのですが。』

『そうか。』

信長は、家康の向かい側に座りの左側に腰かけると、ごろりとの隣に寝始めた。

『あんた、何してんですか?』


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