• テキストサイズ

暁の契りと桃色の在り処 ー音ー

第12章 点と線


それから、は予想通り高熱を出した。
家康は、付きっきりで診察と治療を行う傍ら、政務をする。

秀吉と政宗は、手際よく隊をまとめると出陣に向けて準備を終わらせた。

光秀は、配下の忍を三つに分け、西、大名、安土守護と命を放ち自身も闇に溶けていく。

信長は、三成に一通りを任せた後、の隣で書簡整理を始め、天守に戻らずにと共に過ごしていた。

家康が倒れないようにと、秀吉と政宗が交代で夜に付く事もあり、一人一人がを中心に絆を強めるようだった。




が傷を負って四日目の軍議前。
集まり出した面々が、慣れた手付きでの隣の部屋を軍議の広間へ変えていく。

すると、少しだけ歩調の荒い光秀が襖を開け入ってきた。

『信長様、取り急ぎご報告が。

やはり、西の小国が集まり、挙兵した様子。国境で小競り合いが。』

『…そうか。秀吉、政宗、手配は?』

『滞りなく。』

『よし、久しぶりに暴れられるぜ!』

『よし。』

『大名の方は?』

『あの四名が最後だったものと。』

『そうか。では、西に向け明日出陣する。』

『『はっ!』』

『…、御館様。』

『なんだ、秀吉。』

『御館様も出陣されるのですか?』

『しつこいぞ、先に申したはず。』

『…ですが、があの状態では…』

秀吉の一言に、信長を除いた全員がちらりとが眠る部屋を見た。

『小国が集まったとしても、我が足元にも及ばないことを知らしめなければならぬ。
今後の西の制圧に向けても、この小競り合いはただの戦にしてはならぬ。

わかったな。』

『…。』

『秀吉、政宗。』

『『はい。』』

『の為に早く終わらせる。過去の戦のどれよりも早く。

わかるな。』

『…!!』

『俺一人で十分でしょう。なぁ、秀吉。戦納めの最短記録を目指すぞ!』

『光秀。』

『はっ。』

『貴様の忍は、まだ放っているか?』

『はい、西と大名の元に。』

『では、そのままに。貴様もいつ出陣してもいいようにしておけ。』

『御意。』

『三成は、後方支援と城守。家康は、三成の補佐との全てを任せる。』

『御意。…。』

信長に全員が頭を下げる。
そして直ぐに、また全員が信長に目を向けた。






/ 101ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp