第11章 隠れた太陽
『! おい、!しっかりしろ!』
『おのれぇ!』
『政宗!深追いするな!』
走り寄った秀吉が勢いよく政宗に叫ぶ。
『秀吉!なぜだ!』
『堺に供として連れていった隊が周りを固めた。光秀の忍も来て、残ったやつらも制圧出来た。落ち着け!』
『落ち着けるかぁ!が撃たれたんだぞ!』
『な、に?』
『『!』』
拳銃を構えながら追いついた光秀と共に、秀吉は、声を揃えて叫んだ。
肩口の白い生地はじわじわと赤黒く染まり、深紅の血が腕を伝ってポタリと落ちる。
『家康!』
『わかってます! 信長様、止血しますからを抱き起こして!
、、なんで、あんたなんだ!!』
『、しっかりしろ!』
家康の泣き声に近い叫び声と、焦る信長の声。
『!』
『様!』
信長と家康を囲むように配置する四人の悲痛な叫び声。
いつしか風の音は消え、小さな息遣いが響いた。
「の、ぶ… さま?」
『!』
「だいじ…ぶ?」
『あぁ、。だが、貴様が!』
「よか、た。 ううっ!」
『、もう喋らないで! 簡単な止血はするけど、城に早く!』
家康は、懐から手拭いを出すと傷口に当てる。
『手拭いください!』
そう言うか言わないかのうちに、周りの四人から手拭いが投げ込まれた。
「いえ、…す?」
『大丈夫、あんたの典医だから!』
「…さむい。」
『え?』
『なに?』
「…さむ、い。さむ…いよ。」
手先がカタカタと揺れ、青白い顔色に家康は更に焦り出した。
『まずい、血を流しすぎてるのと、撃たれた衝撃に体がついていけてない。。』
「ねぇ、の… なが さま? どこ?」
『、ここだ!』
「さむ、い 暗いよ。いえ、…す? どこ?」
『、大丈夫だから。ここにいるから!
三成、馬を早く!』
『はい!』
『これ着せろ!』
政宗と秀吉が羽織を投げた。
「くらい、やだ。怖い。…さむい。うっ。痛い。」
『家康、止血ができたら先に行け! 政宗と三成は信長様の脇を固めろ。俺と光秀は殿をする。』
『わかった!』