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暁の契りと桃色の在り処 ー音ー

第6章 奇妙なお留守番 


これには、信長様も不意をつかれたように目を丸くして驚いていた。でもすぐにその口づけに応えている。

政宗さんが口笛を吹くと、
秀吉さんは、兵を前に戯れが過ぎる!って怒っている。
光秀さんは、にやりと眺めてるし、三成は…
手拭いで鼻を押さえてた。

また鼻血? はぁ、面倒。

いつ出発するのさ? 陽が暮れる。

そう思ってたら光秀さんが声をかけた。

『この続きは、御帰城のあとに。』

『あぁ、そうだな。』

ちゅっ、と微かに水音がしたのは聞かなかった不利をして。

信長様と三人は颯爽と馬に跨がった。

『お気をつけて。』

『頼むぞ。』

『では、出立!』

「いってらっしゃい!」

の明るい声が青空に吸い込まれた。
四人の姿が見えなくなるまで手を振るの姿を見て、信長様の正室になっても変わらない事に安心した。

「行っちゃった。」

寂しそうな背中が寄り添おうとした。
そうしたら、政宗さんに先を越された。

『さて、姫は俺達となにしたい?』

政宗さん、どさくさに紛れての腰を抱くなよ。

「なにって、政宗も家康も仕事あるでしょ?」

『ない!』

…あるって。

『ないことにする!』

「え?」

『せっかくと過ごせるんだ! 仕事があったとしても無いことにする!』

まぁ、そうだね。俺も、そうする。

「大丈夫なの?」

『どうにかなるだろ? なっ、家康。』

『せっかくなんだし、ってのは同意見。俺達と、出来ることで楽しもう?』

俺もの隣に立って、わざとらしく顔を覗いてみた。

『あ、おい。家康、近いぞ!』

『政宗さんこそ、腰に当てた手、どけたらどうです?』

『ふっ。この数日は俺達二人に忙しいぞ?』

『そうですね。、覚悟してよね。』

「えっ、…もう。二人とも!でも、楽しもっか!」

『よし、それじゃ腹ごしらえして城下でも行くか?』

「城下より… あの丘に行きたい。」

『あの丘…? あぁ、宴をやったりした丘か?』

『なんでまた?』

「お花を摘みたいの。それにそこで、ゆっくりお団子食べたい。」

『欲がない姫だな。』

『じゃあ、軽く昼を済ませて行こうか。』

「うん!」

がにこやかに笑って城門をくぐった。



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