第4章 大魔お..法使いナタリン☆
おばあちゃん··!た、助け······
と、脳の中で感傷の輪がジワ··と広がっていく。皆の顔が、次々に浮かんでく
る。あの日、お姫様抱っこして助けてくれた、スウさん··り、理科子ちゃん!!
隼人さんの頼もしい笑顔そしてその料理。そしてそしてなぜかくくさんまで、
葉太郎くん···
会いたいよ。
ふいに、そう思った。わ、私が思っちゃいけない、気がしてるのに···
悪魔野郎だけ思い浮かばなかったオチに慌ててしようと思ったのに、もうそう思ってる時点で、ましてバスケしてる真剣な顔や迷惑とか気にすんな馬鹿だろ、みたいに言ったのも思い出す。悔し··1人だけギャップ萌え狙ってんじゃねぇぇぇ!!!と思いつつ、葉太郎くんが大声でいつも守ってくれる事に今さらながらふと気付き、怒りは収まる。
私が、小さな子供のように号泣するまで、ずっと、本気で怒ってくれてもいいから、葉太郎くん、助けようとしてくれる···?ーーああもうくくさんとの思い出なんて酷いのに···っスウさんと、そのお兄さんの春さんまで···
どうして貴方達は、そんなに格好良いんですか···!!!!!
「着いたよ。」
····え?
間近に女の人のように、きれいで繊細な男の人の顔ーー暗がりなので、美しく見えてしまう。ドキッとしてバッと距離を取る。
また意識が飛ん···!?いや、違う··!!
目の前の光景に驚愕した。こ、こここはあ、
この、やたら豪華な蝋燭は、肝試しのスタート地点ーーー!!!
「····『やらせ』、なんてつまらないよ。」
足の爪先から頭のてっぺんまで、ブルッと震えた。
「良い知らせがある。知りたいなら僕を探しに来て、ヒントはさっきの部屋。
ああ、それからここから後ろに行ってはだめだよ。前に進んで。」
「···え」
ゴオオッと真横で風が鳴り、男の人の姿はぐにゃん、の曲がり体に、絡み付
く、と思った瞬間には男の人は消えて居なくなっていた。
身震いする体で、1つ分かった事。
ーーーこの人、た、ただの人間じゃない!!!いや、まさか人間じゃない!!!?