第6章 隼人さんの杞憂
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「はぁっ....はぁっ.....!」
小学生の頃、俺は友達とサッカーして遊んでいた。
なんて事ない、平和で楽しい放課後...のはずだった。
この時までは。
「ゴールッ!!!」
その瞬間、友達が、ボールを勢いよく蹴りすぎてーーー
「ああっ!!」
サッカーゴールから大きく外れーー空を切っていく。
「すっげぇ!!ビュンビュンボール、空に飛んでやがるっ!!」
ーーーまずいな...。
ボールは、小学校の近くにある森の中に、ガサリと消えていった。
「まずいな隼人...ボール、あの、例の森の方に飛んでいったぜ..!!」
蹴ってしまった友達が、おろおろとし始め、俺に助けを求めるような眼差しを向ける。
ゴクリ、と、俺含め、みんなが生唾を飲み込む。
ーーー都市伝説。
"あの森の中に行くと、子供は神隠しに合うんだよ。だから、絶対に行ってはだめだよ。"
担任の先生も、親も、周りの大人達は口を酸っぱくして言う。
小学生ながら、ただの都市伝説とは思えなくて、誰も行った事がない森だった。
「でも...どうしよう...あれ...学校のボールだし..今日も、間違って窓ガラス割っちゃって、俺怒られちまったばかりなのに...隼人...」
ううん...
こういう顔に、俺はとことん弱い。
だからみんなに頼られてしまう。悪い気はしないんだけど..。
「大丈夫!俺が取り返してあげるからっ!」
ーーーあの時は俺も幼くて、愚かな選択をしてしまった。
ただ、友達を助けたい一心で駆け出した。
「何だ....これ......!!」
森の中に深く入ると、無数の黒い檻が。
サーカスのように、煌びやかな装飾をされている。
その中に、人が、ーー閉じ込められていた。
周りは、大人達ばかりで、お祭りのように、賑わっているーーー。
ーー時は進み、
このホストが始動する、少し前のこと。
俺は、山田のおばあさんの家にいた。
「じゃああんたやっぱり、人違いだったみたいだねぇ...。奴らに特に何かされた訳じゃない、無関係の美少年だったというわけかい...」
俺は、数奇な運命に、引き寄せられていたーー。
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