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ご指名は?1.5

第6章 隼人さんの杞憂


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「はぁっ....はぁっ.....!」

小学生の頃、俺は友達とサッカーして遊んでいた。

なんて事ない、平和で楽しい放課後...のはずだった。

この時までは。

「ゴールッ!!!」

その瞬間、友達が、ボールを勢いよく蹴りすぎてーーー

「ああっ!!」

サッカーゴールから大きく外れーー空を切っていく。

「すっげぇ!!ビュンビュンボール、空に飛んでやがるっ!!」

ーーーまずいな...。

ボールは、小学校の近くにある森の中に、ガサリと消えていった。

「まずいな隼人...ボール、あの、例の森の方に飛んでいったぜ..!!」

蹴ってしまった友達が、おろおろとし始め、俺に助けを求めるような眼差しを向ける。

ゴクリ、と、俺含め、みんなが生唾を飲み込む。

ーーー都市伝説。

"あの森の中に行くと、子供は神隠しに合うんだよ。だから、絶対に行ってはだめだよ。"

担任の先生も、親も、周りの大人達は口を酸っぱくして言う。

小学生ながら、ただの都市伝説とは思えなくて、誰も行った事がない森だった。

「でも...どうしよう...あれ...学校のボールだし..今日も、間違って窓ガラス割っちゃって、俺怒られちまったばかりなのに...隼人...」

ううん...

こういう顔に、俺はとことん弱い。

だからみんなに頼られてしまう。悪い気はしないんだけど..。

「大丈夫!俺が取り返してあげるからっ!」

ーーーあの時は俺も幼くて、愚かな選択をしてしまった。

ただ、友達を助けたい一心で駆け出した。




「何だ....これ......!!」

森の中に深く入ると、無数の黒い檻が。

サーカスのように、煌びやかな装飾をされている。

その中に、人が、ーー閉じ込められていた。

周りは、大人達ばかりで、お祭りのように、賑わっているーーー。




ーー時は進み、

このホストが始動する、少し前のこと。

俺は、山田のおばあさんの家にいた。

「じゃああんたやっぱり、人違いだったみたいだねぇ...。奴らに特に何かされた訳じゃない、無関係の美少年だったというわけかい...」

俺は、数奇な運命に、引き寄せられていたーー。

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