第4章 大魔お..法使いナタリン☆
「よし!そろそろ行こうか菜太郎」
菜太郎は、ウンともスンとも言わずに、歩き始めた。慌ててついていく隼人。
何か話題を、と、ハッと気付いたことを口にしてみる。
「そういえば、お化け役の人って誰なんだろうね?」
「..くくかおばあさんかが用意したんだろ。でもーー..」
とここで、隼人は菜太郎と無理やり目を合わせる。
「でも?」
山田の不安要素を少しでも無くしたい隼人は、すごい形相。菜太郎は、阿呆だと思ったのか、軽蔑するようにその表情を鼻で笑う。
笑われて隼人はハッと我に返った。
「..ここの屋敷には幽霊がいる。立ち入り禁止の場所があり、そこに入ると男の幽霊がいて、他の幽霊も表に出てくる。だけどこれはあくまでもーー..」
「大変だ」
と、また我を失う隼人。それを面倒臭そうに思う菜太郎。
「早く鈴ちゃん達のところに行かなきゃ。危ない所があるよって!」
話を最後まで聞かずに早歩きし始めた隼人に、ハァ、とため息をつき、一応ついていく菜太郎。
こうして、2組のペアは、時間差で山田達を探しに行ったのだった。