第4章 大魔お..法使いナタリン☆
「..うおッッ!!」
頭をブンッッ!!と振って、なんとか意識をグッと戻す。何か重大な事に気付いたらしい、真っ青な顔。
それを無表情で、不思議そうに見つめるスウの肩を、葉太郎はもう一度掴む。
「じゃあ、山田が危ねぇッッ!!あんなに怖がっていたのに、ホンモノだって知りゃあ..」
更にサアッッと青くなる葉太郎。
「..でも........み...んな.......連...れて.......きた...........」
から大丈夫、とスウはまた頭に手を伸ばしたが、葉太郎はまたそれを押しはらう。
「でもずっと山田達悲鳴あげててお化け全員連れてこれてねぇじゃねぇかッッ!!」
お化け全員連れてこれるスウの凄さよりも、彼女を心配する心で薄れてしまっているのだ。
葉太郎は今にも彼女の元へ駆け出しそうである。
「..そ...れ...は.......あ..の.......彼ら...が.........用..意...
...し..た.......人............」
ホッ..と一気に安心した葉太郎は、山田がまだ可哀想だけど、ホンモノのお化けじゃないし、おばあさんの司令なのでーー..彼女の元へ戻ることはなかった。
ズォオおおおおおおおおおおおおおおおおああおお
「ッッ!!」
ーーはずだった。
その瞬間、スウの手から離れた少女がいなくなっていたのだ。正確に言えば、あははははははははは、と、脳に響く笑い声で、彼女の元に向かっているではないか。
「..戻...ろ...う..............................」
完全に震えながら固まっていた葉太郎が、遅ばせながらスウの背中を追う。
スウの足の速さも相当だったが、お化けはそれを遥かに上回る速さで、もう姿が見えない。
「..ッッ、ななッッなな何が起こってんだッッ!!?」
(嫌な予感...が.......的中..してしまった................)
ーー30分前。