第4章 大魔お..法使いナタリン☆
ーーー30分後。
「ぎゃばわッッ!!ハァハァ、ズウ、ぐすっ、止まってくれ..!」
お化けをおんぶしたり手を繋いで歩いたりしているスウは、一旦止まる。それを確認し、ハァ、とひと息ついて葉太郎は安心した。
「...大....丈夫............................................」
大丈夫?と頭を撫でようとする手を葉太郎は全力で阻止。
「そ、それより、バァ..ッッ!!、あとどんくらいで終わるんだゴレッッ!!」
時間差で出てきた、目をくり抜かれたクマのヌイグルミを持つ三つ編みの少女に悲鳴を上げながらスウにそう問いた。
葉太郎はもうパニック状態。
「..お...化け..........いる.....か...ら.............お...わ...ら.........な...い.............................」
ギャワゴワゲェえええええええええ!!!!と、おどろおどろしい山田の叫び声がした。
しかし、葉太郎はそれに気づかなかった。白く固まっていた。
「...え??ど、どういうコトだよ..???」
ハハハーッスウったらまた変な言動を..と冷や汗ダラダラ笑顔で頭を高速でかく葉太郎。その途端、何かに気付いたようにスウの肩を背伸びしてガシッ!!
「...な、なぁ、スウ。」
スウは首を下げて葉太郎の濡れた瞳の中を覗き込む。その瞳は、尋常じゃない程とても真剣だった。
スウは相変わらず無表情だったが。
「ここにいる、お化け..スタッフ!!は、誰、なんだ..?」
葉太郎は、自分で聞いて、自分で顔を青ざめた。スウは、口を開く。
「...あ..れは.........本...物..............................................
.....................................................................................」
スウの顔に、影が入る。本人は無自覚無意識だった。チラッとスウの背中にいるお化けを見て、葉太郎の意識は、宇宙まで飛んでいった。