第4章 大魔お..法使いナタリン☆
皆さんに、協力してもらっている、そうなのに..
逃げ出して、怒らせて、..
今、どれだけ、幼稚で自己中心的な行動をしてしま
ったのだろう。
「ごめんなさい!わたし、今なんてことを..」
華夜さんは私をギュッと抱きしめてくれた。感覚は無かったけど、暖かい事だけは、ハッキリと分かった。
くくさんの姿はなかった。私は、まっすぐ走ってたつもりだったけど、スタート地点とは違うところに突っ走ってしまったらしい。
「あ..」
その時気付いた。
壁の、ここから立ち入り禁止と書かれた消えそうな文字に。
そして、立ち入り禁止の、鎖で繋がれた中に、私は強引に入ってしまったことに。
「ごめんなさ..」
錆びて凸凹に尖っている鎖が何本もあって、私はその鎖と鎖の狭い間から無意識に出たらしい。
ーーでも、
そのまま私が強引に引っ張って、華夜さんの手が、血だらけーー..。
華夜さんは私を安心させようと鎖の上からギュッと抱きしめてくれてるから、さらに、あちこちから血がーー..。
私、私..
「ほ、本当にごめんなさい..すぐ出ま..」
その瞬間、
〈 ははは 〉
!!!
咄嗟に華夜さんが私の頭を隠すようにギュッ..と抱きしめてくれたけど、何かが、もう遅かったようだ。
空気が、さっきとは全然違う。呑まれそうーー..
〈 久し振りだなぁ!〉
目の前も、頭の中も、真っ白になっていた。鎖の外で、華夜さんの、必死に私の名前を叫ぶ声がした。
〈 ーーさぁ、捕まえてしまって。 〉
その声が響いて聞こえる前に、私はフッと意識が途切れてしまった。
お化け屋敷で出るはずのお化け達が、一斉に私に襲いかかってきたのが、一瞬、見えてしまったーー。