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ご指名は?1.5

第4章 大魔お..法使いナタリン☆




「きゃっ!随分メイクがリアルね..」

私とは違い、可愛く怯えた後、シュッと姿を消すお化けを華夜さんは冷静に見ていた。

「わっ私が守ります!!」

と自分の方が怖がってるくせに、そう出しゃばりたくなる程の超絶気絶級美人なのだ。真っ暗で姿はあまり見えないけど、声で分かる。

でも、華夜さんはとても身長が高くて安心感がある!だからそう言える程の余裕が私にはまだ残っていた。私はなるべく固まってキョロキョロと目を動かす。

「どうしたの?」

と心配して華夜さんは歩みを止めてくれた。

「リタイア口どこかなって、、」

「冷や汗すごいわよ!!これで拭いて!」

あ、ホントだ、こんなに冷や汗が出てたとは..ハンカチに申し訳ない!!!と思いつつ、ピチャン、と私達はまた歩き出す。

クォおおおおおおおおおおおおああ........。

「ッぎゃぎゅがぁあああああああッッッッッッッ」

ぬるぅ..という後ろからの空気に反応し、私達は振り向いた。くくさんもその瞬間カメラに収めようとササッと私達の前に。

「...」

後ろを振り向くと、今度はショートカットの茶髪で、天井からぬぁが~い首が生えてる女の人のお化け..。さっきからいたのになんで気づかないんだよ、という血走った眼。

「....................!!!!!鈴ちゃんっ!?」

絶句した後、気絶寸前の、最後の力を振り絞りスタート地点に戻ろうと駆け出してしまった。

「むむむむむむむむむむむむむむ無理」

その時私は華夜さんの腕をグイグイと引っ張っていたらしい。最悪な行為をした事にも気づかず、私は逃げ出すのに夢中で、泣いてんのか泣いてないのかももう分かんなくて、とにかく顔はもうぐちゃぐちゃ。

はは..こんな顔見られないんだったら、暗闇でもいいかもな..。

「鈴ちゃんっ!!」

「ばっ!?」

その時、華夜さんが止まってくれなきゃ、我を失い続けてただろう。怖い..!

「そっちはだめッッ!!」

暗闇で、顔はよく見えなかったけど、華夜さんがすごい形相してたのに気付いた。

「ご..ごめんなさ..」

膝はガクガク震えるし、バカみたいに歯がガチガチしてるし、私は震え続けることしか出来なかった。

わ..私..


だめだ..

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