第4章 大魔お..法使いナタリン☆
「イヤお化けの顔色の心配しなくていいメイクだからッッ!!」
「お化け心配して自分の部屋に連れて行こうとするなッッ!?」
「そっちは逆方向だぞッッ!?」
は、葉太郎くん大変そうだなぁ!
華夜さんと私はこの次に、蝋燭がぼやっと浮かんでいるだけが光の、あの闇の廊下を突き進まなきゃならない。はぁ..。
「大丈夫!あたしもまぁ..くくくんもいるし」
その長い睫毛にも見惚れつつ、は..はいと圧倒されてこう答えることしかできない。
「蔑みウィィィィィィィィッッッ!!!」
カメラ撮ってる時にソウイウコト平気で言えるのやばい、なくくさんはクネクネ動きながら私たちの周りを回る。
カメラマン向いてそう..はぁ、やっぱり不安過ぎて逃げたい..。
私たち以外のペアの皆さんは、本当にお化け屋敷をやることになった。くくさんが、
『Everybody演技だったら不自然に映るかむぉッッッ!!!』
とちょっと鋭い指摘。まぁ、大根役者1人いる事は確定してるしそれでいいよ、くく。と菜太郎が葉太郎くんのことジーッて見つめて鼻で笑って、また双子ゲンカ勃発して、私はまた少し申し訳なく思った。
どうやらせするかは、華夜さんがカメラに映ってないところで私にお化けの場所を教えてくれるらしい。ありがたい..!!!
と、スウさんをツッコみ続ける合間にぎゃあああッッ!!うおッッ!!ごギャァッッ!?ッッアー!!という葉太郎くんの悲鳴が聞こえてきた。数秒ごとに。
な、なんか私より葉太郎くんの方が怖がってるような..。しかも、鼻をすする音がたまぁに聞こえる。カワイイ!!!!!もおおおおおおおおお!!!!!
と悶えつつ、廊下の寒さに身震いした。や、やばい..。スウさん達の姿が闇に溶けて1分。そろそろ行かなきゃ。
ふいに、ーーパシッ..
「えっ..!?」
思わず声を発してしまった。華夜さんが、私の腕をとって距離を近付ける。
「ずっとつかまってて!そんなに1人で震えなくてもいいのよ」
と、儚く笑う華夜さんの言動は、母親のように私を包み込む。
「は..はい..」