第4章 大魔お..法使いナタリン☆
嘘でしょ..
菜太郎が優しい!??
華夜さんもビックリしているようで、固まっている。くくさんは、うおんうおんとヘドバンし、菜太郎の側で膝をついていた。
「何その酷い顔。..くく、膝が汚れるよ。そんな格好しないで」
菜太郎はこっちを向いたまま、またいつもの態度に戻った。くくさんにふ...と本当の笑顔を見せて。
あ...
「オイッッ!!山田に向かって失礼過ぎると何回も言ってるだろッッ!!」
そう怒ってくれる葉太郎くんの声にもまた、心が溶かされるような気がした。
あ、ありがとう..
ごめんなさい、ありがとう..
「鈴ちゃん?」
隼人さんの問いかけにハッとした。目の奥が辛いくらいにじんわりとしている。私は慌ててグッと堪えた。
「あっ、いや、何でもないです!」
腕をブーメランのようにブンブン振って私は誤魔化した。
「そっ、そう?」
隼人さんに見抜かれないように肩甲骨からしっかりと腕を回す。
「はハイ!」
なっなんだ今の謝罪は!?あいつに対してか!??
い、いや、
今のは、言うべきか..
と、ここで、ブーメランを巻き起こすのをやめた。菜太郎の方に僅かに近付いて、
「菜太郎」
と呼びかけてもくくさんの服の汚れ落としてて聞こえなかったみたいだ。
「うあー..」
と、私が声を発したところで、
「じゃネッそういう事でネッ!!!」
くくさんが急に立ち上がった。私は一歩後退した..。