第4章 大魔お..法使いナタリン☆
フワッ..
「わぁっ..!!!」
私のベッドは文字通り浮いた。天井スレスレのとこ
ろまでずっと高く。
はっと我にかえる。
「えっ..マジ..??」
ソファーに座ってくるくる指を動かしている菜太郎。わっほっほーい!!!とはしゃぐくくさん。
「い、一回ちょっとベッド戻してくんない?」
と私が言っている最中にもう戻してあった。私は急いでくくさんのとこまではいはい。
「ほっぺ千切れるまで伸ばしてもらっていいですか?」
「これは現実」
と、菜太郎はくくさんが私のほっぺに触る前に遮る。
「えー..」
それしかもう言えなかった。
「りぃアルよーーーッッッ!!!」
くくさんが私のほっぺを引き伸ばす。
いた..
マジでこれ、現実か..。
「..この事って、もしかして誰にも言ってないんですか?」
と、思わず敬語になってしまった。
「...そう。だから、絶対誰にも言うな」
と、そこで私はある事に気付いてしまった。
「さっきの..、電気のバチバチ音隼人さんとかに聞こえてるんじゃないですか..?」
さっき私がドタドタ走っただけで下にいた隼人さんまで響く程の館なのだ。私が運動神経悪いとかだけじゃなく。
「僕が部屋に入った時、もしもの事を考えて今までの会話はこの3人以外聞こえないようにした。それ以外の音は出来る限り小さくしたから恐らく聞こえてない」
ほー..長々と、そんな普通の事みたいに言われてももー分からん。わからんわからんぞ。あーモウ知るかそんな事。
「出来る限りってどのくらい..」
私のカッタイ脳はキャパオーバーしてしまったようだ。もう表情筋が動かない。くくさんはそんな私の口の端をにーっ、と強引に引き上げる。
「耳が敏感だったら気付く程度」
それホントに大丈夫かよ..。
「そういえばさぁーまほーしられたくなかったんでしょーなんででんきだしちゃったのー」
ひらがなでしかしゃべれない。くくさんが太もも触ってたけど全然知らなかった。