第3章 まさかの疑惑
「兄弟、か..........」
菜太郎だ。どこか遠い目をしていた。まつ毛が光に反射して白い。
と、そんな菜太郎を見かねて、隼人さんは爽やかに笑う。
「そんな顔するくらいなら、葉太郎菜太郎仲良くすりゃいいじゃん!」
隼人さんが名案!というように人差し指をあげる。
「はぁ?」
「はッッ!?」
よく見れば顔の作りが似ている双子が、同時に隼人さんの方に顔を向ける。その顔はどちらも嫌悪感を全面に押し付けていた。
「やっぱり.....」
と、隼人さんから視線が送られてくる。
「はい..」
と、葉太郎くんがあー!と菜太郎を指差す。
「ていうか何のんきに1人でうどん食ってんだよッッ!!げほっ!」
「五月蝿い。僕は春という人に関わる意味が無い、関わりたくないし」
何失礼な事言ってんだぁッッ!!大体いつもお前はなあ!!と、双子ゲンカが勃発。
「やっぱりこの2人は仲悪いね....」
言われてる当の本人は、おーもう呼び捨て?なんか急に安心感あるわーとなぜかくつろぐ。
「はい...」
くくさんの頬をぺし。と叩いて私たちは遠い目をした。