第3章 まさかの疑惑
「どしたんッッッ!?!」
はあはあ息を荒くし、くくはギチギチと縄を動かす。両腕が頭の上までぴんと伸ばされ、苦しそう。
「いや、なんでもないよ...」
僕はしゃがみ、くくの頭を撫でた。ワぉ、と口を大きく広げた後、うー、と唸って
「ナンでメガネクンと似てたかっ..はあぁッッッ、
教えるぅ!?!」
と、興奮するのをやめた。両手首を縛られてるので、細い指がみるみるうちに赤く染まっていく。
ああ、痛々しい....
「いやいい、やめて」
と、僕は頭を抱え込む。「大じょ「大丈夫っ..違っ..から.......」
「..え?」
と、私は無意識のうちに箸を止めていた。
「昨日みんなで出かけた後に、菜太郎倒れこんじゃったみたいなんだ」
あの後に..。たしかにここに帰ったらすぐに菜太郎とくくさんは菜太郎の部屋へと向かっていた。あいつ、体弱いのかな。
「そ、そんな顔しなくてもいいぜ山田、あいつ結構そうなるんだ、ちゃんといつも起きてくるから」
と、葉太郎くんも箸を止めてフォローしてくれた。え、そんなにひどい顔してたのかな今。
「うん、ありがとう」
と葉太郎くんに笑いかけ、私は朝ごはんを口に押し込む。スウさんはいないので、まだ寝ているようだ。
「...................」
私はなんとなく、菜太郎の部屋へと足を進めた。
「?」
疑問を抱きながら、なにか、とても悪い予感がした。
私は走り出す。
バタンッッ!!
「おおッッッ!?!」
え!?!?
そこにはくくさんもいた。菜太郎もいた。
ね、ねねぼけてるのかな..いや、違う!!!
「...なんで...っ勝手に入ってきたんだ....!」
菜太郎は、上からそう言った。
菜太郎の体は、背の高いくくさんよりももっと、上ーーーーーーーーーー
宙に、浮かんでいた。