第3章 まさかの疑惑
「..菜太郎にですか?」
私は、後ろから忍び寄るくくさんの手をガッ。
「?」
当の菜太郎は、うどんを食べる手をすでにやめていた。なんかよかった、さすがにそこまで悪人ではないよね..。
「ぴぃんぽん、どしてアンダースタンドぉ!?!?」
と、大げさにくくさんは私の周りをひょこひょこ回る。
「きょうだいみたいな家族がいたからです..」
葉太郎くんはそこで一瞬肩を震わせた。そして、チラッと、気付かれないように菜太郎の方を向いたのに私は気付く。
「ほー。」
とお兄さんがどうでも良さそうに言った。だけどその瞳には、かすかに光がある。
「んじゃ、俺そろそろ行ってくるわー、あーキミ達はここで待っといて」
と、春さんは椅子から立ち上がる。そして、尻ポケットのところをかきながら、どこかへ歩みを進めた。
「えっ、ちょっ、3人ともどっか.....!?」
と、葉太郎くんがアタフタ動いている近くで、冷静なのかただ冷たいのか分からん菜太郎が口を開ける。
「どういうこと?」
「おぉ~う???」
と、腕をついて前のめりになった菜太郎に聞かれた時、ふいに我に返った。それと同時に、くくさんは回るのをやめる。
「あっ、..くくさん期待に満ちた感じで見てくるのやめて下さい!これはあくまで私の考えであり..!」
ともうよくワカラナイ。今何をぬかしたんだわしゃあ!!
「やっぱいた」
隼人クンは見つけられなかったか。まあ、しょうがない。
「..............どうして....分かった...の」
スウはトイレじゃなく、造花や作られた木が並ぶ、アイス屋から遠い雑貨屋にいた。
そろそろみんなの元へ帰ろうとしていたらしい。ばったりと向かい合わせで会った。
「お前が行きそうなところは分かるって。」
と、ここで、ごく一般家庭の普通の弟ならば、オラァ!!と殴るはずた。
「......みんなに...謝らなきゃ....」
フッと俺は笑ってしまった。スウは表情に変わりはない。が、思っている事は手に取るように分かる。
「お前は素でそういう事思うよなー、あのフルボッコする生徒に見習わせたいわあ」
と、2人同時に歩き始めた。
「..........?」
いつもそんな事言ってるけど、何を?とでも言いたそうな目だ。