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ご指名は?1.5

第3章 まさかの疑惑




「..菜太郎にですか?」

私は、後ろから忍び寄るくくさんの手をガッ。

「?」

当の菜太郎は、うどんを食べる手をすでにやめていた。なんかよかった、さすがにそこまで悪人ではないよね..。

「ぴぃんぽん、どしてアンダースタンドぉ!?!?」

と、大げさにくくさんは私の周りをひょこひょこ回る。

「きょうだいみたいな家族がいたからです..」

葉太郎くんはそこで一瞬肩を震わせた。そして、チラッと、気付かれないように菜太郎の方を向いたのに私は気付く。

「ほー。」

とお兄さんがどうでも良さそうに言った。だけどその瞳には、かすかに光がある。

「んじゃ、俺そろそろ行ってくるわー、あーキミ達はここで待っといて」

と、春さんは椅子から立ち上がる。そして、尻ポケットのところをかきながら、どこかへ歩みを進めた。

「えっ、ちょっ、3人ともどっか.....!?」

と、葉太郎くんがアタフタ動いている近くで、冷静なのかただ冷たいのか分からん菜太郎が口を開ける。

「どういうこと?」

「おぉ~う???」

と、腕をついて前のめりになった菜太郎に聞かれた時、ふいに我に返った。それと同時に、くくさんは回るのをやめる。

「あっ、..くくさん期待に満ちた感じで見てくるのやめて下さい!これはあくまで私の考えであり..!」

ともうよくワカラナイ。今何をぬかしたんだわしゃあ!!






「やっぱいた」

隼人クンは見つけられなかったか。まあ、しょうがない。

「..............どうして....分かった...の」

スウはトイレじゃなく、造花や作られた木が並ぶ、アイス屋から遠い雑貨屋にいた。

そろそろみんなの元へ帰ろうとしていたらしい。ばったりと向かい合わせで会った。

「お前が行きそうなところは分かるって。」

と、ここで、ごく一般家庭の普通の弟ならば、オラァ!!と殴るはずた。

「......みんなに...謝らなきゃ....」

フッと俺は笑ってしまった。スウは表情に変わりはない。が、思っている事は手に取るように分かる。

「お前は素でそういう事思うよなー、あのフルボッコする生徒に見習わせたいわあ」

と、2人同時に歩き始めた。

「..........?」

いつもそんな事言ってるけど、何を?とでも言いたそうな目だ。


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