第3章 まさかの疑惑
べしゃっ。
「あ..!」
と思わず大きい声が出てしまった。
「おぉおうッッッ!!!」
くくさんが頬に自分の手をバシッとやるのも無理はない。
春さんがスウさんにガッと肩を組んだ時、バニラアイスがスウさんの足元にーー..!
「わー、おしぼり使う!?」
と隼人さんがすぐさまフォロー。と、私も慌ててテーブルの下にいっておしぼりで靴を拭こうとする。
上を見ると、スウさんは呆然としていた。口がちょっと開いている。
「あーアイス落ちちまったなー」
とお兄さんはスウさんの横で呑気な声。でぇええ!?
「全然申し訳なさそうじゃないですかッッ!!」
葉太郎くんは、つっこんだ後アイス落ちただけとは思えない、ひどくオロオロした様子でバニラアイスを買いに行った。それにくくさんがぴょんぴょんついてく。
「......あ...っ..ご...め....んね.................」
スウさんははっとして、隼人さんと私の手を止めた。そして、スウさんもテーブルの下に降りる。
「あっ、地べたのところに座って大丈夫ですか?」
と私は叫んだけど、スウさんからは?という雰囲気が感じられる。
と、その瞬間、スウさんは落ちたアイス一直線頭を下げた。
「ーーーーー~~~!!!!」
と、すんでのところで隼人さんがガッと頭を止める。
「スウ、このアイスはもう食べなくていいよ!葉太郎達が買いに行ってくれたし!」
私は目の前で今起きた事にびっくりしてコクコクコクコク頷く以外出来なかった。
え?え、スウさん、え!?!?
と、その瞬間、
「スウ、やめとけ」
上からお兄さんの声が降ってきた。
「..............」
スウさんは顔を上にあげた。
うわ、えっと、どうしようこの空気..。背中から..。
「えっと、」
隼人さんが何か言おうとした時、スウさんは私達の方に向き直った。
「...ごめ....ん、...その...姿...勢.....辛....い.......で...しょう...............」
と、スウさんはちょっとオロオロしている私達をゆっくり立ち上がらせててくれた。
「あっ、すみません..」
スウさんは、無表情でいつも通りに見える。
「ありがとスウ」
隼人さんが笑った時、スウさんは首を振った。