第3章 まさかの疑惑
「それで、鈴ちゃんは何食べたい?」
と、隼人さんがアイスのメニューが書かれた看板を指差す。
「え、えっと、チョコとバニラですカネ..」
と、指差された方向が私がいる方向だったので距離が近くなってしまった。顔から煙が..!
「スウは?」
スウさんはううん...というようにメニューを見つめる。
「...バ...ニラ......か...な...............................」
と、スウさんの声音は軽やかだった。無表情だけど、なんか雰囲気的にワクワクしてるっぽい。なんかほっこり。
「俺は抹茶かな~、葉太郎も?」
と、隼人さんが葉太郎くんの方を向くと、
「いや、俺はクリームソーダがいい!」
と、ここにも目を輝かせる少年が..!はあかわいい。
「へぇ、抹茶とか和風の食べると思ってた」
たしかに、葉太郎くん習字もついこの間やってたし、部屋は和室が良いって言ってた。
「和の文化は好きだけど、味は洋風の方が好みかもなー」
家庭訪問用の和菓子はキレーで好きだけど、と葉太郎くんがうんうんと頷いた。
「葉太郎くん私も!」
と、食べ物洋風派に賛同する。
凝ってて見た目が華やかな和菓子も、先生食べずに帰った場合、それを食べるのを唯一の楽しみにしてたなあ..。
「2人ともそうなんだー、スウは好きな食べ物とかなに?」