第3章 まさかの疑惑
「なんてね、冗だ...」
「隼人ッッ!!」
葉太郎くんが、私の手と隼人さんの手を離した。
「山田困らすんじゃねぇ!」
愛の救世主が注意してくれている間にもーー..
ああああ心臓の奥がぐぎゃんとしてやばいいい!!ドキドキよりドゴンドガンくらいうるさい!
「ごめん2人とも!並ぼう」
ごめんと言いつつ、隼人さんは私の手首をパシッと掴んだ。
「!」
「あオイ.....!」
そしてそのまま私達は最後尾に。運良くスウさんの後ろに並べた。私達の後ろにお客さんがまた並ぶ。
「こんな人並んでるって、ここ人気なんだねー」
「そうだなあ」
葉太郎くんはあごの下に、指を小さく添えた。
いや、それより、隼人さんの手がまだ手首にあって..!強引にバッと離してまた変な空気になるのもなんか嫌なので、そのままにしておく。
「.................」
ふと、スウさんの方を見ると、ばっちり目が合ってしまっーーと、合いそうな瞬間には目を逸らしていた。私の得意技。
ま、まだ周りに美男子様様方がいることに慣れていないなア。慣れられる人は、あの、きれいなひと、くらいじゃないだろうか..。
と、どこかでゲホッ、と咳き込む音がした。多分菜太郎。そして、多分、ホストの時に来ていたきれいなひとは菜太郎の元彼女。