第2章 源氏名を決めようの会
「...大.....丈夫..........?怪我....し..て.....な...い.....?」
こっ、この声はーー、チラッと布団から顔を伺う。
驚く程無表情。切れ長のその瞳は、人形の目のよう
に生気がなく、でも何もかも見透かし、全部知られ
ているのではないかと錯覚に陥るーー神秘的な美し
さを持っている。スウさんだ。
「オッオイッッ!!だからくっ付こうとすんな!」
2人の男の子はわちゃわちゃしている。何かを止めよ
うとしてくれている男の子は、目が大きく、ちょっ
とつり目。彼は低身長で、八重歯をチラチラと覗か
せて、なんか必死で...!!か わ い い
「くくやめな。葉太郎が馬鹿五月蝿い。あんたは
寝言ゴリラみたいだし。本当に女?」
そんなか わ い い美少年、葉太郎くんと、
皮肉にも同じ顔のくっ..美、美男子が葉太郎くんを嘲
るように軽く睨む。
「女子に失礼過ぎるだろッッ!!そして馬鹿五月蝿
いと思うならこいつ止めろ!」
葉太郎くんも悪魔野郎ーー、いや菜太郎を睨み、突
然おおうっと声を上げた。
やめて、私の為に争わないでーーー!気分が寝起き
から美双子のケンカから味わえました。ありがとう
ございます。悪魔野郎には睨みを、葉太郎くんには
庇ってくれてありがとぅぅぅぅぅ!!
あ、やべ、遂に真顔に..と思っていたら、
「あっ!くくっ!」
隼人さんの爽やかながら鬼気迫る声。え??
どうしたんーーーボバフッッッッ!!!
「グエエエエアッ!」
またとんでもない声を出してしまった。いや、突然
布団の上に誰か覆いかぶさってきたものだからーー
この男子は、顔を見なくても分かる。
「jkィィィッッッ!!!はぁっ....っこの前の続きし
よoooooうッッッ!!!」
「ぎやああああああああああああ!!!」
自分の身体を私にすり寄せようとした変態ーーくく
さんの腹にキックと背後から隼人さんがくくさんを
引き上げるのは同時に行われた。
「おいッッ!!大丈夫かッッ!?」
慌てて葉太郎くんが、一回転びそうになりながらも
こっちに駆け出してくれた。