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ご指名は?1.5

第3章 まさかの疑惑



「くく、ちょっとアイス垂れてる」

菜太郎がくくさんの服をおしぼりでトントンする。

「ちょっとどころじゃないッッくくお前もふけ!!」

くくさんは葉太郎くんの言うことを聞かず、座ってガバッと仰いだ。手には溶け残った甘い液体があるスプーン。

「おーテンションすげー。あ、俺アイスいらねぇから」

と、菜太郎も「僕も」と手を軽く振ってアイス拒否。そういやこいつ甘いのだめなんだっけ。

「じゃあ俺たちで行っちゃおっか!」

と、隼人さんはスウさんの方を向いた。

「...う......ん...........................」

スウさんの顔の赤みもやわらぎ、いつものように背筋がしゃきっとしてる。

なんか、さっきスウさん泣いてたけど、アイスでちょっと元気になったのかな..、今は場を明るくしたくくさんに感謝。

なんてことを考えてたら、

「あっ、スウさんもう行っちゃった」

と、列の最後尾にスウさんはもう並んでいた。早い。

「私達も..」

と、いきなり隼人さんにパシッと手を掴まれた。

「どわっ!」

と思わず声を出してしまった。え、今、隼人さんと、私、手をーー..!隼人さんがちょっと赤くなって、

「あっ、ごめん!従姉妹の子と間違えてーー」

と、隼人さんはバッと私の手を離す。

「えっ」

またも思わず声が出てしまった。

「ん?」

隼人さんは目を丸めた。

「あ...........ぁあ」

私の顔はペンキで塗られたみたいに赤くなっていく。俯いた。触れられたところがじんじんする。

恥ずい。恥ずかしい..!

すると、

「こうした方が良かった?」

と、隼人さんにまた手を掴まれた。

「えっ..?」

咄嗟に顔が上がった。隼人さんは、いたずらっぽく片方の眉毛を少し上げる。その瞳は、私をしっかりと捉えていた。


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