第3章 まさかの疑惑
「ねぇあいすくりん食べに行くッッッ!?!」
葉太郎くんの肘に絆創膏を貼った後、くくさんはこっちを振り向く。
「...あいすくりんじゃなくてアイスだよ。春さん早く行って済ませましょう」
菜太郎は冷たい声で言い放ち、1人でずんずん先へ行ってしまった。
ちょいちょいウェイト!ウェ~イトッッッ!!!とくくさんはうさぎみたいに跳ねてついて行った。
「おい、菜太郎勝手に行くなよッッ!!くくも!」
葉太郎くんの注意も虚しく、2人の姿はどんどん小さくなっていく。
「............................あー」
な、なんか、、
「えっと、俺らも行きましょうか」
場がちょっと気まずい。
「はい!」
と、私は返事をして明るい雰囲気を取り戻そうとした。それが今私のできることだった。
「.......う.....ん...........................」
スウさんは相変わらず無表情。だけど目尻がと鼻の先がほんのり赤く染まっている。初めて彼の人間らしい肌の色を見た気がした。
「あー俺アイスのとこどこだか忘れたから、隼人クンおねがい」
「分かりました」
隣の隼人さんが私に行こ、と呟いた。私はスウさんをちらっと見て軽く頷く。
(今の状況スウの事が気になってどうでも良いんだけどコイツ何気に山田の隣キープしてんな...いや、どうでも良いんだけどッッ!!)
一番左が春さん、スウさん、葉太郎くんで後ろに並び、私達はアイス屋さんへ歩き始めた。
「すまなかったな、スウ」
春さんの隣のスウさんは、さっきの事はいいよ、と呟いた。
なんか、兄弟間のことだからあまり聞かない方がいい気がして、私は隼人さんに話しかける。
「あの、私もアイス屋さんどこか分からないんですよ、分かりますか?」
隼人さんはうーんとたしか、と指を指し、
「あそこを右に曲がってー、」
アイス屋さんに着いたら、菜太郎達がもう座って食べていた。くくさんがはっ!と気づいたようで、
「JKキタあああッッッ!!!」
と両手をブンブン振って飛び跳ねるもんだから、
「ちょちょっとそんな大声出さないで下さい!」
とくくさんの口を押さえた。