第3章 まさかの疑惑
スウさんがーーー..
前にも同じようなことがあった。スウさんが収めてくれた。
でも、スウさんにとって傷付くことだったの。
「..."ぼく"の.......ことは..............................っ」
スウさんは小さくしゃりあげる。
今、彼は、音を立てずに泣いている。それだけで、時が止まったようだった。
「もういい、もういいんだ、...そんなの使わないで
早く、はやく、自分を取り戻せよスウ.....!」
春さんは、低く、呻くように囁いた。
ーーえっ..?
その瞬間、春さんがハッと瞳孔を開いた。
それと同時に、景色がまた色づき、賑やかさが戻った。
「スウ...」
隼人さんがそう口から漏らした。
「あー、.....すまんすまん大丈夫か?」
と、春さんは頭をかき、床に転がっている葉太郎くんを起こした。
「は、はい...」
さっきの事があって、葉太郎くんは放心状態のようだった。
「めっちゃイタイタしいーッッッ!!!」
と、くくさんがすぐさま葉太郎くんに駆け寄り、どこからかりんご柄の、ピンクな絆創膏を取り出した。
「あ、すまん..」
その状況を見て、女性達は、何故自分がこんなことを...どうしよう、帰ろう...と口々に言って、どこかにそれぞれ行ってしまった。
「.....................」
前にいる菜太郎は終始無言を貫き通していた。