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ご指名は?1.5

第3章 まさかの疑惑



スウさんがーーー..


前にも同じようなことがあった。スウさんが収めてくれた。

でも、スウさんにとって傷付くことだったの。

「..."ぼく"の.......ことは..............................っ」

スウさんは小さくしゃりあげる。

今、彼は、音を立てずに泣いている。それだけで、時が止まったようだった。


「もういい、もういいんだ、...そんなの使わないで

早く、はやく、自分を取り戻せよスウ.....!」


春さんは、低く、呻くように囁いた。

ーーえっ..?

その瞬間、春さんがハッと瞳孔を開いた。

それと同時に、景色がまた色づき、賑やかさが戻った。

「スウ...」

隼人さんがそう口から漏らした。

「あー、.....すまんすまん大丈夫か?」

と、春さんは頭をかき、床に転がっている葉太郎くんを起こした。

「は、はい...」

さっきの事があって、葉太郎くんは放心状態のようだった。

「めっちゃイタイタしいーッッッ!!!」

と、くくさんがすぐさま葉太郎くんに駆け寄り、どこからかりんご柄の、ピンクな絆創膏を取り出した。

「あ、すまん..」

その状況を見て、女性達は、何故自分がこんなことを...どうしよう、帰ろう...と口々に言って、どこかにそれぞれ行ってしまった。

「.....................」

前にいる菜太郎は終始無言を貫き通していた。


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