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ご指名は?1.5

第3章 まさかの疑惑



「ボクのキュートボォオイッッッ!!!」

くくさんがボサボサだけどさらさらしている髪をなびかせ、全力疾走した。もちろん菜太郎のところに。

葉太郎くんに、

「..あり....が....と.......う.....................」

と呟き、スウさんはお兄さんに近づく。

「春、そろそろ帰ってもいいんじゃない.....」

と、スウさんが無表情でお兄さんーー春さん?の背中を押す。

「わーひどいよお弟ー」

と、春さんは棒読み。

へえ、スウさんなんか、いや、スウさんも人間だけど、お兄さんを前にすると表情が少しだけど柔らかくなって、なんか、兄弟みたい。いや、兄弟なんだけど!

「なーなー、仮にも久々に会った兄なんだからよー、遊ばね?」

と、春さんはごく普通のようにスウさんにグイグイくっつく。

スウさん、雰囲気で嫌そうな感じする..。

「春......久々ってこの前もちょっと会ったし、....」

と、スウさんの言葉をあーあー!と遮って春さんは皆さんの方を向く。

「というかあのバーさんに言われたんだ、しんこーとやらを深めろって」

と、春さんはだるそうに自分の耳をいじる。

「えッッ、そうなんですか!?」

葉太郎くんが食い入るように大きな声をあげた。ガタンッと椅子が倒れる。

春さんがぱっと耳から手を離した。



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