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ご指名は?1.5

第3章 まさかの疑惑



「春っ..!」


突然、スウさんがお兄さんの手を取った。肩から手が離れる。

「....スウ、もういいだろ。もうお前、バレてんだよ」

え?なに..?

「エッッッ!?なにナーー二!??」

お兄さんはまたくくさんの髪を片手でいじり始めた。


ドクン..


スウさんが、かつてこんな、真剣な感情を表に出し

たことはなかった。


「お前が初恋の女の子忘れられないってこと!」

..へ?

多分その時の私はとんでもなくアホな顔をしていただろう。お兄さんはわざとらしく口元を押さえ、にやにや笑う。

「.....」

そんなお兄さんを見て、いつも無表情なスウさんの眉が少し下に下がる。そして、スウさんは自分の胸を、ゆっくりと押さえた。


『山田さんじゃない』

はっと脳裏に映像が浮かんだ。

私は、そんな事を言われて、スウさんに2回抱きしめられたことがある。


あれは、初恋の人をーー..。


なぜか私まで、胸を押さえてしまった。

「お兄さんっ、スウのプライベートな事そんな大声で言わなくても.....!」

と、隼人さんがすかさずナイスフォロー。コイツ色恋についてちょー疎いのになーとお兄さんはまだスウさんをからかい続ける。

「恋とはプリンスでも忘れられないんだ.ネッッッ!!!」

「お、おい大丈夫か?」

葉太郎くんがスウさんの肩に手を置いた。と、我にかえる。

「....う.....ん...............................」

スウさんは、唸るように声を出した。



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