第3章 まさかの疑惑
「おーなんかめちゃくそイケメン」
!!
こっこれは..筋肉がしっかりとある、素敵なオジサマ!!30代くらいかしら!?掘りが深く、目の下のくまさえチャーミングに見えてしまう..。普通の黒縁メガネだけどそれでもカッコいい。
「スッスウのお兄さんですかっ!?」
隼人さんがガッガッガタンッ!と前のめりの中腰で近寄る。
「隼人大丈夫かッッ!?」
葉太郎くんが叫ぶ程隼人さんがよろけたのは分かる。
ていうか、くっ来るのはや..!
「はい、一応スウの兄でーす。家隣なんできました」
と、一応敬語使ってる感満載のだるさ全開でお兄さんはポケットに手を入れた。
だるそうな感じもス.テ.キ..!!
「いえとなりってイガイとちかー!!」
くくさんが小学生並みにケラケラ笑って、スウさんのお兄さんの周りを走りまくる。
「なんだこの変態っぽさそうな奴は、すげー髪なげ。」
と、体に巻きついたくくさんの髪をほどいていく。
スウさんがお兄さんに近付いた。
「ちゃんと挨拶して......」
くくさんの髪を触り始めたお兄さんは、そのまま続ける。
「いんだよそんなの。今日生徒にまたやられて疲れてんだよ。で、例の女の子どこだ?」
この人教師なんだ、そこもすて..ん?例の女の子って?
「それはいつもあなたが彼女を怒らせてるんでしょう....」
と、スウさんがこんな態度とるの珍しいな..!と思いつつふと菜太郎を見ると、
「兄弟なのに性格似てな。」
小さい声でボソッと呟いていた。いや、それお前人のこと言えないだろ。と、菜太郎は姿勢正しくお兄さんのもとへ向かう。
「初めまして、佐藤菜太郎です。」
ニコッと天使モード突入。佐藤っていう苗字だったんだ。何気に今初めて知る。
「あー...俺に気ぃつかわんでいいよ。スウから大体話聞いてるし」
「!」
あらら~普段の行いがちょーっと悪かったなざまみろ!
ん?菜太郎固まってる。
「...そうですか。」
その声は、さっきと打って変わって重々しい。天使モード解除しただけじゃこんな声、出ない。
?「敬語とかもめんどーだから使わなくて..あ!」