第6章 隼人さんの杞憂
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
♦︎♦︎♦︎
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
♦︎♦︎♦︎
「スウ様......スウ様..........どうしたら、私は幸せに生きていけるでしょうか.......?」
白装束のような服装を身に纏った女性が、涙を流しながら、両手を合わせている。
「.............................」
"ぼく"は、檻の中で、真っ白い紙に、文字を書き連ねた。そして、その女性に渡す。
「ああ!ありがとうございます...!!!スウ様...神様なんかより、スウ様が1番信じられる.....!!」
そうして女性は歓喜で泣きながら帰ってゆく。
「.................」
人間としての感情が、どんどん無くなっていくのを感じる。
この檻の中に閉じ込められる前の、自分の元の性格さえ、性別、年齢、全てあやふやになっている。
「流石の洗脳術だなァ...スウ.....ほら飯だ」
ビチャビチャビチャ、と、冷たいスープが床に落とされる。
"ぼく"は、自分のとても長い髪を顔を振って払い、そして舌を出した。
床に落とされた冷たいスープを、"ぼく"は舐めとってゆく。
「ひひっ....美しいなァスウ....本当に金になるなァ...」
いつまで、
いつまで"ぼく"は、こんな事を、しなければいけないのだろう...。
あの子は...
あの子は今日は....来てくれないだろうか.......
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
♦︎♦︎♦︎
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
♦︎♦︎♦︎