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ご指名は?1.5

第6章 隼人さんの杞憂


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「スウ様......スウ様..........どうしたら、私は幸せに生きていけるでしょうか.......?」

白装束のような服装を身に纏った女性が、涙を流しながら、両手を合わせている。

「.............................」

"ぼく"は、檻の中で、真っ白い紙に、文字を書き連ねた。そして、その女性に渡す。

「ああ!ありがとうございます...!!!スウ様...神様なんかより、スウ様が1番信じられる.....!!」

そうして女性は歓喜で泣きながら帰ってゆく。

「.................」

人間としての感情が、どんどん無くなっていくのを感じる。

この檻の中に閉じ込められる前の、自分の元の性格さえ、性別、年齢、全てあやふやになっている。

「流石の洗脳術だなァ...スウ.....ほら飯だ」

ビチャビチャビチャ、と、冷たいスープが床に落とされる。

"ぼく"は、自分のとても長い髪を顔を振って払い、そして舌を出した。

床に落とされた冷たいスープを、"ぼく"は舐めとってゆく。

「ひひっ....美しいなァスウ....本当に金になるなァ...」

いつまで、

いつまで"ぼく"は、こんな事を、しなければいけないのだろう...。

あの子は...

あの子は今日は....来てくれないだろうか.......


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