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ご指名は?1.5

第6章 隼人さんの杞憂



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なのに、選ばれるのは、いつも菜太朗の方だ。

例え、俺が殺されそうになっても。

...今、こんな時でさえ。

「おとう....さん....ッッ!?」

俺の双子の弟、菜太朗の小さな手を引っ張って、どこかへ連れ出そうとする。

「菜太朗だけ連れて、どこ行っちゃうんだ...!?」

幼い身体で、必死にその人に抱きついてみた。

「うるせぇっ!!!葉太朗、お前は菜太郎より要領悪くて俺が使い辛いだろ!!」

ビクッと、体を震わせる。

「...お前の面倒は俺の親戚が見る。じきにこの家に来るだろう。じゃあな」

その人の横顔が、影が濃くて見えなかった事....

連れて行かれる瞬間の菜太朗が、

俺を見下し、暗く嘲笑っていた事ーーーー。

それを俺は、忘れた事はない。

「っ...くぅっ...ひっく......っ!!」

俺は、その場で泣き崩れた。

「助けて....助けてよぉおっ....っ!!"おにいちゃぁん"ッ...ッッ!!!」




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