第5章 ※これは、一応ホストの話である(?)
『 ねぇねぇ?』
ハッとした。
自分は、何を呆けていたのだろう。
さいきん、こんな時間が多い気がする。
『どうしたの?』
目の前にいるのは、
かがやいている。
かがやいている。
黄色みを帯びた子。それは、その頃の自分が、唯一持った外界との繋がり。
『いや...別に...どうしてもない....』
この子の、むき出しになった膝の頭。
なぜか、それをずっと見ていた。
ーー熱烈に、それが頭の中に記憶されるような気がして。
『ふーん..?まぁいいや、今日も見せてよ!』
ニコニコと、輝かんばかりに笑う子ども。自分は頷いた。フードが、ずるっと落ちてきた。
『うんーー..』
断るでもなく、でもその願いに、叶えたいという願望も特になく、ただ、気力も無くーーー自分は手の内を明らかにした。あっけなく。
その日の自分は疲れ果てていたんだ。
だから、人前であんな事ができたんだ。
目の前が、白いたま たまで飛び散ってゆく。
それは自分の嫌がるトラウマな出来事が、一つ、心に塗りたくられた日の事だった。
それでも自分は、帰る所は、
「や あ」
鬼の巣食うばしょ。
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ま..まずい...。
「みんな今日もおつかれー」
ホストのスーツ姿のステキ隼人さんが、皆さま方に笑顔を向ける。
私はーーーー1人ガクガクガク、と震えていた。
「ン....お....つかれ..............」
スウさんが隼人さんの汗を手で拭い、隼人さんがちょっと照れながらあ、ありがと、スウ..と、片目をつぶった。
「....あ....れ.........双...子......のもう...1人の....方....は..........?」
スウさんに問いかけられた菜太朗が何か言おうと唇を開いたが、さっさと無視して部屋に帰ってしまった。
ーーまままめめめめまッマズイことになったぞぉイッッッ!!!
皆さま方の様子に鼻血をふかす余裕も宥めるフォロー力も失っていた。私。仕事の疲れよりも、ドウヨウドウシヨウ!!!
「おッッッッッッpぃうィィいいいィッッッ!!!!」